第151話
ある日のことだった。頭領と戦闘員たちは、この日も空き地でエコーズを待っていた。
いつもの戦闘員が「頭領!やっぱり今日も、いつも通り、エコーズは待たせますね!」
頭領は「それがエコーズだな!どうしようもないやつらだ!ヒーローの自覚もないやつらだ!悪党を待たせて、何とも思わないふざけたやつらだ!」と、いつもの戦闘員に愚痴った。
その時だった。エコーズが、やはり、いつも通り、やる気のなさそうに走ってきた。
頭領は、エコーズに名乗りをあげろとか、遅いぞとか文句を言おうと手ぐすねを構えていた。
スタンバイしている頭領だった。その時だった。剣道の道着を着て、竹刀を持った10人の剣道教室の生徒たちが現れた。先生1人と生徒は全員高校生ぐらいの若者たちだった。合計11人だった。デビルグリードとエコーズの中間あたりに立ち止まった。
剣道教室の先生はエコーズに気が付いた。先生はひらめいた。“たぶん、ばばあネットステーションで配信していたヒーローが、ここにいるエコーズで、向こう側にいるのが、悪の組織・デビルグリードだろう。この悪の組織を自分たちの剣道教室がダメージを与えたら、生徒が増えるだろうなあ。それには、まず、エコーズが邪魔だ。俺の目的を果たすには、まず、エコーズを倒し、最終的にデビルグリードを叩き潰そう。”と計画を即興で思い立った。
健の売り上げもそうだが、この剣道教室の先生も、生徒獲得に野心を燃やし、生徒数を増やして売り上げを増やそうと企んでいた。
先生は生徒に向かって「あの団体を倒せ!なにがなんでも、やっちまえー!」と命令した。
生徒は「先生!お言葉ですが、どう見たって、あっちの面白い鎧兜のおじさんや黒ずくめのおじさんたちが悪そうですよ!あの団体は、ヒーローのように見えますけど。間違いじゃないですか?」と尋ねた。
先生は「いや!それでいいんだ!向かっていけー!!!!!相手の首を取るぐらいの気力でいけー!!!!!」続けて最後には「エコーズを倒せー!!!!!」と命令した。
先生は鬼の首を取るように生徒たちに強要した。
生徒たちはエコーズに向かって戦いを挑んだ。
驚いたのはエコーズだった。健は「えぇぇぇぇぇ!?どうなってるんだ!?敵はあっちだー!」と叫ぶように教えた。
阿蘭も楓梨も千鶴も全員で驚くとともに、逃げ回ることになった。
驚いたのは頭領と戦闘員たちも同様だった。
いつもの戦闘員は「頭領!これはいったいどうなっているんでしょうか?」と尋ねた。
頭領は「意味不明だな!どういうことなのか、まったくわからん!」と返事した。
エコーズは剣道教室の生徒から逃げ回るのに精一杯だった。
剣道教室の生徒は、かなり強かった。しかし、ここで、千鶴の反撃が始まった。「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!」と千鶴が、ものすごい大きな地鳴りのような声だった。
自らを奮い立たせるように、千鶴は叫んだ。
その叫び声を聞いて、頭領と、いつもの戦闘員は2人で震えながら抱き合った。
千鶴は剣道教室の生徒に向かって行った。そして、向かって行くと、剣道教室の生徒が持っている竹刀を奪い取ると、自分の膝に当てて、その竹刀を真っ二つに折った!次々に、それを繰り返していった!
剣道教室の生徒は、もちろん竹刀で、千鶴に抵抗するものの、千鶴にかわされたうえに竹刀を折られた!最後の生徒の竹刀が折られた!
生徒はもちろん、先生も走って逃げた。
千鶴は、全く無傷で無敵だった。
健と阿蘭と楓梨は千鶴を取り囲んで、称賛した。
頭領と戦闘員たちも拍手をして、なぜか「バンザーイ!」と言って、全員消えた。