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第150話

健が、いつでも小料理屋の店から出てきた。とてもうれしそうに見えた。


頭領は「よし!」と仕切り直した。


健は小走りに歩いて行った。とてもうれしそうだった。頭領と戦闘員は、後をつけていった。


戦闘員は「どうやら、恋人に会うようですね!はたから見ていても、とてもうれしそうですよ!」


頭領は「おぬしの言う通りだ!面白くなってきたのう!」


20分ぐらい歩いた時だった。


健は店に入っていった。ケーキ店だった。


頭領は「この店に働いている女の子に、のぼせているのかな?まあいい。小走りに歩いたので、少し疲れたのう。休憩がてらに観察しようか?ガラス張りで、シースルーなので、中の様子が見えるな。」と提案した。


戦闘員は「頭領!応対しているのはオバサンですよ。中にいるパティシエが狙いなんでしょうか?」


頭領は「もしかしたら、ああ見えて、健はマダムキラーかもしれないぞ!案外、あのオバサンが本命かもしれないな!」と推測した。


戦闘員は「そんなことあり得るんでしょうか?」と尋ねた。


頭領は「案外、事実は小説よりなりと言うじゃないか!」


戦闘員は「さすが、頭領様です!」と頭領を褒め称えた。


頭領は、戦闘員に褒められて、悦にっていた。


と、その時だった。健がケーキの箱を持って、店から出てきた。そして、どこかへ向かって歩いて行った。


頭領と戦闘員は再び、つけていった。


歩きながら、頭領は「あのオバサンが狙いでケーキを買って、仕方なくどこかへ持って行くのか、それとも、そのケーキを持って行く先に彼女がいるのか?謎だな!」


戦闘員は「本当に謎だらけですね!とにかく、つけていきましょう!」


しばらく、2人は、つけていった。


ある本屋に来た時に、健は店に入っていった。


頭領は「ここに本命がいるのか?必ず突き止めてやるぞ!いくぞー!」と戦闘員に指示した。


戦闘員は「ヒー!!!!!」と言って、最近始まった独特の掛け声とともに、右手を斜め上にあげた。


頭領は戦闘員と、すかさず本屋の店内に潜入した。


店内にはケーキを持った健が雑誌を見ていた。


頭領と戦闘員は健に見つからないように、児童書コーナーで見張っていた。


2人で、各々、児童書を持って読んでいるフリをしていた。


店の奥からオバサンが現れた。レジ付近に行き、健に気が付いた。「健さん、いらっしゃい!」


健は店のオバサンに「サヨちゃん、今日はいないですね。あ、これ、この前、コミックをもらったお礼です!」とケーキの箱を手渡した。


オバサンは「あら、ありがとうございます!気を遣わなくったっていいのに!こちらこそ、いつでも小料理屋で、お世話になっているんだから!」


頭領は「え?そういうこと?じゃあ、サヨちゃんは娘か?あいつ、ケーキで親にご機嫌を取って彼女のハートをゲットしようと企んでいるんだな!」と、ささやいた。


戦闘員は「そうだとすると、あいつは結構、策略家ですね!」と同じように、ささやいた。


2人は児童書を持ちながら、想像していた。


その時だった。オバサンが「サヨちゃん!健さんだよ!」


頭領と戦闘員は、2人で、サヨちゃんを見ようと身を乗り出した。2人は、目を疑った。


ベージュ色のトラ猫だった!


健は、うれしそうに「サヨちゃん!会いたかったよー!」


サヨちゃんは健を見ると、うれしそうに雑誌を踏み台にして、入り口近くに置いてある座布団に座った。


健は、サヨちゃんをでると、サヨちゃんは気持ちよさそうに目を閉じて至福の時のような笑顔だった。


頭領と戦闘員は、啞然あぜんとしたのは、言うまでもなかった。


健は、サヨちゃんに「バイバーイ!またねー!」と言って別れを告げた。そして、店を出ていった。


頭領もサヨちゃんに「サヨならー!」とギャグをかまして、戦闘員と共に店を出た。またしても、空振りだった。


戦闘員は「サヨちゃんだけにサヨなら!キマりましたね!お見事です!」と言って、褒めることによって、頭領を元気づけるように配慮した言葉だった。

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