第144話
健が頭領たちにコーラ2杯を持ってきた。
健は「いらっしゃいませ!今日はビールはお休みですね。コーラをお持ちしました。ところで、ばばあネットステーションの方が取材に来ています。よろしかったら、取材に応じてください!では、失礼します。ごゆっくりどうぞ!」
頭領は「今日は急ぐんでね。この店も取材に来るとは、有名店なんだね。しっかり宣伝しておくよ。」
健は「ありがとうございます!」と言って、他の客の所に行った。
戦闘員は「何も知らないで、いい気なもんですね。エコーズの悪口なんか配信されたら、泣くでしょうね!」と頭領に尋ねた。
頭領は「ふふん。おぬしの言う通りだ!エコーズ討伐バンザーイ!」と小声で戦闘員に返した。
戦闘員は同じく小声で「頭領、おめでとうございます!」
頭領と戦闘員は「乾杯ー!」と言うと、コーラで乾杯した。
しばらくすると、楓梨がミートドリアとポトフを運んできた。
頭領は「このミートドリア、フーフーと冷まして食べないといけないぐらい熱々の焼きたてだなあ。ご飯の上に乗っているミートソースとホワイトソースとチーズが3種類になって、うまいなあ!ポトフもよく煮えてる。ジャガイモ、ニンジン、キャベツがほどよく柔らかくベーコンもコンソメ味で、スープがうまい!」
戦闘員も「本当におっしゃる通りですよ!うま過ぎて、言葉もありませんよ!」と絶賛した。
頭領と戦闘員は、すっかり、ミートドリアとポトフに魅了されていた。
完食して、満足する頭領と戦闘員だった。
戦闘員が「あれ?そういえば、ばばあネットステーションのコウメとかいう人、どこにいるんでしょう?」
頭領が「確かコウメとかいう名前だったな。いないぞ。」
近くに楓梨がいたので、頭領が尋ねた。「ちょっと楓梨ちゃん、ばばあネットステーションの取材の人、どこにいるの?」と尋ねた。
楓梨は「ああ、ばばあネットステーションの人でしょ。その人なら、さっき帰りましたよ。」と答えた。
頭領は「は?帰った?噓でしょ?また取材するって言ってたけど・・・。」
楓梨は「忘れて帰ったんでしょうかね?」
頭領は「乾杯までしたのに・・・。逆にこっちが完敗になっちゃったな・・・。」と元気のない声だった。
戦闘員は「乾杯と完敗。頭領、座布団10枚です!元気出しましょう!」と戦闘員は慰めた。
頭領は「早く帰ろうと予定していたが、えーい!仕切り直しだ!ビールでも飲んで、憂さを晴らして、これから先のプランの練り直しだ!じゃあ、おぬしと乾杯だー!」と無理に空元気を繕っていた。
戦闘員は「頭領のお考えに従います!」と、どこまでも頭領に服従した。
頭領と戦闘員の目論見通りに、事が進まなかった。
結局、頭領は、この日も、いつでも小料理屋の売り上げを増やすことになっただけだった。