第142話
数日前から、ばばあネットステーションから依頼があり、健たちは、取材のために準備していた。健は、ばばあネットステーションで、いつでも小料理屋のことを配信してもらえたら、売り上げが増えると思った。それで、依頼の話がきた時は、2つ返事で引き受けた。
いつでも小料理屋の開店前のことだった。
この日、取材に来たのは、コウメさんだった。年齢は90歳ぐらいで、カメさんとトメさんの代理でやってきた。
コウメさんは健にどんなことを質問してほしいか、PRはどんなことかを打ち合わせしていた。
やがて開店時間がきた。客が入ってきた。
コウメさんは、その客にインタビューした。そうこうするうちに、いろんな客が来店した。
頭領と、いつもの戦闘員もやってきた。
2人は、楓梨の案内で席に座った。
すかさず、コウメさんが頭領の席にインタビューに行った。
コウメさんは「こんにちは!“ばばあネットステーション”のコウメです!この付近の配信をしています。今日は、いつでも小料理屋のお店を紹介したいと思って来ました!担当のコウメです!今日はよろしくお願いします!」と頭領に頭を下げた。そして、マイクを頭領に傾けた。そのマイクはラジカセに接続されていた。
頭領は、いきなりのインタビューで、少し驚いた。
頭領は「あんた、ばばあネットステーションなんてやってるの?ばばあなんて番組の名前だけど、謙虚でいいね!君もコウメなんて可愛い名前だね!」とコウメさんの胸につけてある名札を見ながら褒めた。
コウメさんは「ありがとうございます!うれしいです!」と応えた。
そして、コウメさんは「ここのお店には、しょっちゅう来るんですか?そして、料理は美味しいですか?」と尋ねた。
頭領は「この店には、しょっちゅう来ているよ。料理も、うまいしね!」
コウメさんは「あっ。そうですか。ありがとうございます。そして、このお店に要望はありますか?」と尋ねた。
頭領は「美味しい店だからね!もっと営業時間を長くしてほしいもんだね!」
戦闘員は、“頭領は、不覚にも敵の店を褒めてしまったのだと思った。大丈夫かな?褒めてしまって。”と内心、思ったが、敵のこの店が、繁栄するのは面白くない。すると、エコーズが存続する。そうなると、デビルグリードにとってはマイナス要因だ。しかし、やめたらやめたで、この小料理屋に来れないので、まあそれでいいかと思った。
ある意味、戦闘員は、自己中心的だった。
コウメさんは頭領に「そんなに料理が美味しいんですか?」
頭領は「美味しいなんてもんじゃないよ!雨でも雪でも台風でも嵐でも竜巻でも雷でも、この店に来たいもんだよ!」
コウメさんは、頭領のいつでも小料理屋に来たい意気込みを感じた。