第141話
健は、この日、タブレットばあちゃんが発信する“ばばあネットステーション”を見ようと予定していた。
健は、今日も“ばばあネットステーション”の配信を利用して、売り上げ追求を目指していた。
スマホが鳴った。発信者は、頭領で、いつも通り、戦闘の呼び出しだった。今日の場所は、とある空き地だった。健は、頭領の誘いに応じて、電話は、すぐに切った。
健はタブレットを見たいので、早く戦闘を終わらせようとした。それで、3人に声掛けをして、いつもより早く4人で戦闘に出かけた。
エコーズ4人は早く目的の空き地に到着した。
健は「あれっ?誰もいないぞ!変だな!どうしたんだろう?」
阿蘭は「電話かけてきたんだろ?場所、間違って指定したんじゃないか?」と健に尋ねた。
楓梨は「たぶん、デビルグリードが急いでて、場所、間違ったんじゃないかな?」
千鶴は「せっかく来たのに。殴れなくて残念だ。」と恐ろしいことをつぶやいた。
千鶴のその言葉を聞いて健は千鶴が味方でよかったと胸をなでおろした。
健は「せっかく来たけど、みんなお疲れ様でした。とりあえず帰ろう。僕は帰ったら、タブレットを見よう。」と提案した。
エコーズ4人は、空き地を後にした。
いつでも小料理屋に帰った。
健は、タブレットを見ようとした。メロディーが鳴って「ばばあネットステーションです。今日はピンチヒッターのカメが担当します。地域の情報を提供するサイトです。」
その時だった。スマホの呼び出し音が鳴った。
“頭領”と表示された。
健は、仕方なく電話に出た。
頭領が「リーダーの健か?今、仕事か?」と尋ねた。
健が「呼び捨てにするなよ!人のことなんでも把握してるのか?」
頭領は「フフフフフフ・・・。なんでもお前たちエコーズのことは全て把握済みだ!どうだ?怖いだろう!」
余裕のあるところを指摘するように健に言った。
頭領は健に“なんでもお前たちエコーズのことは全て把握済みだ!”と健を怖がらせるために自信ありげに言ったが、頭領の脅しは単なるはったりだった。
そして、頭領は「今、空き地で待っている!今日も遅いな!早く来い!」と催促するように促した。
健は「は?それなら、さっき行って、誰もいないから今帰ってきたところだぞ!」
頭領は「はあ?誰もいなかった?いつも待たせて遅いから呼び出しの電話をしてから、ここに、ゆっくり目に到着したので、もしかしたら、ワシらが遅かったのかな?」と健に聞くように尋ねた。
続けて「今、すぐに来てくれよ!待ってるからお願い!」と最後には健に頼み込む頭領だった。
健は「今から行ったって、こちらも商売があるので、またの機会にしてくれよ!」
頭領は「それじゃあ、違う日に改めて電話するからな!じゃな!」と不満そうに言って電話を切った。
空き地で電話をしている頭領を戦闘員たちは、指示を待っていた。
頭領は、いつもの戦闘員に「エコーズはワシらより先に来て、帰ったらしいぞ。チャンチャン。」
いつもの戦闘員は「ええー!?いつも遅刻エコーズというレッテルを貼られてるくせに、今日に限って、早かったですね!それに比べて、僕らが、あいつらに気を遣って、遅い目に来たら、このざまですね!」
頭領は「どうしようもないな。帰るとするか。」
デビルグリードは仕方なく空き地を去った。