第136話
頭領は「勉君は事故で死ぬ前、何度も机の中の勉強道具を整頓していたらしい。お父さんが“そんなに毎日、整頓しなくてもいいから早く寝よう。”と勉君に、言うぐらい、何日も何日も、お父さんが呆れるぐらい、整理整頓をしていたらしい。もしかしたら、勉君は、自分が死ぬのを予期していたのかもしれない。勉君が亡くなって学年で2番のやつが1番に繰り上がった。こいつは、バイオリンを習っていて、父親の転勤でアメリカに引っ越して転校した。嫌々行って、バイオリンを外国で弾くことになった。それで、喜んだのは、学年で3番目のやつだった。またまた繰り上げで1番になった。こいつが、あまり努力せずに1番になって、おまけに勉君が死んでいるのに“勉が死んでよかった”と呼び捨てにして、叫んで、大喜びしている姿を見て、さすがに、腹が立った!しかし、これより、もっと腹が立ったのは、勉君をひいたやつだ!仮に、そいつをアルファベットのOとしておこう。Oは何年か交通刑務所に入って、出所してきた。事故は、やつも気が動転していたからのことだったと思うが、出所してからが、ひどかった!やつは、いつもタバコを吸い、なんと驚くことに、勉君をひいた場所でも笑いながら歩きタバコをして、タバコの灰や吸い殻を事故現場の地面に何度も捨てるのを見て、ワシは、許せない気持ちになった!腹立たしさでいっぱいだった!この怒りをどうしてくれようぞ!この世に正義はない!それで、ワシは、この理不尽な世の中を正そうと、悪の組織・デビルグリードを立ち上げたんだ!」と熱く語った。
戦闘員は感極まって、ポロポロと涙が頬をつたった。
そして、戦闘員は「頭領!ひどすぎますよ・・・。勉君があまりにも理不尽です!頭領は、正しいです!勉君には、到底及びませんが、僕を今日から、勉君の代わりに務めさせてください!お願いします!」と泣きながら訴えた。
頭領は「なんの!おぬしこそ、ワシの心の中では、すでに、勉君じゃよ!」
戦闘員は「ありがとうございます!これからも、よろしくお願いします!」と、より一層、泣いた。
頭領と戦闘員は、絆が一段と強まった。