第130話
しばらくして、健がビールと塩キャベツを運んできた。そして、頭領と戦闘員の前に置いた。
健は「お待たせしました!ビールと塩キャベツです!それと、メニュー表にある、大人のお子様ランチ2をやっているんですが、いかがですか?カレーライスとエビフライが主体なんですよ!」と頭領に勧めた。
頭領は「へぇー。いろいろ企画しているんだね。料理の勉強しているんだね。じゃあ、それ2人前、頼むとするかな。」と健に注文した。
その時、千鶴が隣の客にオーダーを聞きに来ていた。
頭領が千鶴を見て、何気なく健に「千鶴ちゃんも頑張っているね。」
もちろん、お世辞だった。
健は、それを聞いて「千鶴ちゃんも、よくやってくれているんですよ。」と、やや千鶴に聞こえるように褒めた。
千鶴は、それを小耳にして、うれしそうに厨房の方に行った。
健は、続けて「千鶴ちゃん、彼女がいたら助かりますよ!お米を30キログラム買った時なんか、スーパーのレジから車まで、余裕で、10キログラムのお米を軽々と3袋抱えて運んでくれるんです!こんなこと彼女にとっては、朝飯前のことですよ!彼女がいるので手押し車も不要です!助かりますよ!彼女は重要なうちの戦力ですよ!」と頭領に褒めた。
それを聞いた頭領は驚いていた。戦闘員は軽く身震いをしていた。
健は、千鶴の良いところを考え抜いた挙句、褒めただけだった。頭領と戦闘員を怖がらせるつもりは毛頭なかった。
そして健は「ご注文ありがとうございます!では、お持ちしますね!」と頭領に付け足した。
健は、先日の戦闘で、楓梨と千鶴は一応、仲直りしたので、いつでも小料理屋に平和が戻った。エコーズのリーダーで、いつでも小料理屋のオーナーの立場の健は、うまく収まって、ホッとしていた。それで、千鶴のことを褒めていた。
しかし、楓梨は千鶴に対して、上辺だけの付き合いを続行していただけだった。