第128話
次に、楓梨の近くの石に爆弾が被弾した。その爆弾を避けようとして、走った楓梨が、つまずいて、転倒した。
転んでも擦り傷は、体にはできなかった。しかし、若干、足首をひねって捻挫をした。
べそをかく楓梨に健と阿蘭が駆け寄った。
それを遠巻きに見ていた千鶴は、その場に立ったままだった。
その時だった。またしても爆弾怪人の口から爆弾が吐き出された。
頭領が、トドメを刺そうと爆弾怪人に命令したものだった。
爆弾は健と阿蘭と楓梨の3人のいる場所に目掛けて飛ばされたが、わずかに逸れて、爆発した。
千鶴は、次の瞬間に走り出した。そして、千鶴は、健たち3人のいる所に走って駆けつけて、楓梨を猛スピードで自分の背中に背負うと、あっという間に走り去った。
かなりのスピードの速さだった。
置いてけぼりになった健と阿蘭は、千鶴を追いかけて走ったが、息も絶え絶えだった。
千鶴は背中に楓梨を背負っている割には、息一つ乱れていなかった。長距離ランナーでも、こうはいかないだろう。恐ろしく強靭な心臓の持ち主だ。
こうして健たちエコーズは去っていった。
敵のいなくなった頭領は「あっという間に、あいつら、すたこらサッサと逃げたな!」
いつもの戦闘員は「登場するのは遅いくせに、逃げ足だけは速いやつらですね!」
頭領は「千鶴が楓梨を拉致して、思惑通りにならなかった・・・。またしても、あの百合たち復活してからに!というか、千鶴が一方的にやってるだけだけどな!千鶴は、どんだけ強い百合なんだ!楓梨も勝手に千鶴に思われて、気の毒にな!千鶴が死なない限り、楓梨は解放されることがないだろうな!」と、いつもの戦闘員に語った。
頭領は、ムカついて、千鶴が楓梨を救出したのを拉致という言葉にした。
頭領は一応、爆弾怪人の功績を褒め、とりあえず、戦闘員たちと消えた。