第126話
次の日、頭領と戦闘員たち10人と、この日は頭領が造った最新式の怪人だった。エコーズ4人を待ち構えていた。
この日、頭領は、昨夜の、いつでも小料理屋のプチサイズのアイスクリームの盛り合わせの仇を取ろうと考えていた。執念深い頭領だった。
いつもの戦闘員は昨日、頭領が余裕の発言をしていたので、期待していた。しかし、頭領の目論見は新しい怪人だった。その名前は、爆弾怪人だった。
爆弾怪人は四角い顔で、丸い両目と大きい口で、胴は長方形で、両腕と両脚があり、見るからに、ロボットだった。それを見た、いつもの戦闘員の印象は、怪人は、思ったよりも強そうではなく、割と弱そうな感じを受けた。
爆弾怪人は、爆弾を口から出して、相手のところまで転がり、爆発させるという、ちゃちなものだったが、頭領にとっては、エコーズを攻撃するには、最強クラスの怪人だと自負していた。頭領にとって、以前、戦闘に参加した、アンドロイドのリリアとともに、爆弾怪人は、自信作だった。
頭領は、いつもの戦闘員に「爆弾怪人は、爆弾を口から吐いて、相手を攻撃するように設計されているぞ!」と説明した。
いつもの戦闘員は「頭領!お言葉ですが、それなら僕たちが手で爆弾を投げた方が手っ取り早いんじゃないですか?」
頭領は「いや!やはり、ここは爆弾怪人が口から吐き出して、その爆弾がどこに転がっていくか予想できないのが恐怖なんだ!」
いつもの戦闘員は「なるほど!御見それしました!さすが頭領です!」
長い時間待っていると、やっとこさ、エコーズ4人が、頭領たちの目の前に現れた。
見るからに、4人は、いつも以上にやる気がなさそうだった。
頭領は思った。次は、頭領が想像したことだった。
健は、息せき切って、走ってきたものの、いつもより一段と憂鬱そうだ。千鶴を辞めさせて、千鶴の暗さを一掃して、店を明るいイメージに変えるつもりだろう。そして、千鶴の不在のエコーズは味噌汁の麩のように、ふやけた状態になり、解散に追い込める。もちろん、千鶴をクビにした後に、雇おうとしているのは、可愛いねえちゃんにして、いつでも小料理屋の売り上げを増やそうと思っているんだろう。そして、千鶴が抜けて、エコーズは解散。いつでも小料理屋だけが存在する。ワシと戦闘員は、念のため、エコーズ再結成を阻止するために、情報取りを目的に、小料理屋通いは続けることになる。楓梨のような可愛いねえちゃんたちに囲まれて、ウハウハして飲むビールが最高!
阿蘭も千鶴が辞めて、楓梨や可愛いねえちゃんだらけに囲まれて、料理を作ろうなんて考えているだろう。
楓梨は以前、千鶴不在の時を思い出して、その時が楽しくて、忘れられなくて、千鶴がまた、いなくなったらいいと心の中で強く願っているに違いない。間違いない!
千鶴は楓梨が自分のことを1日中考えたらいい。楓梨を自分の中に閉じ込めてみたいとか思っているんだろうな。誰がこんな恐ろしい話を思いついたんだろう?夏の怪談話より恐怖が一層、募る。あ~とても怖い話。
以上、頭領は勝手に空想した。