第124話
頭領は戦闘員に「フフフフフフ・・・。うまくいったぞ!揉めてる!揉めてる!」と思い通りに事が運んだので大満足していた。
2人は残っているビールで、笑顔で「かんぱ~い!」とコップを合わせて乾杯した。
頭領は、大成功な結果に満足して、ことのほか上機嫌だった。
戦闘員も「さすが、頭領ですね!これから、どうしますか?」と尋ねた。
頭領も「さあ、どういうやり方にしようかな?それにしても、アイスクリームの盛り合わせは遅いな!まあ、揉めてるから仕方ないか!これも、ワシが仕掛けたんだけどね!」
頭領は、自分の作戦で、楓梨と千鶴が揉めて、大満足していた。この調子で、エコーズを解散に追い詰めれるのではないかと思って、注文のアイスクリームの盛り合わせが遅いのさえも、うれしいことだった。
頭領は「しかし、さっきのエビグラタン、うまかったなあ!エビがプリプリで、数が、たくさん入っていたぞ!玉ねぎは柔らかく、マッシュルームも適度に入っていてよかった!絡められたホワイトソースの濃度がちょうどよかった!ソースの量もマカロニの量からすると、いいぐらいだったな!トッピングのチーズが溶けて、焼き加減もよかったな!エビグラタンも平均点以上だ!たぶん、チーズは色からして、値段が高いチェダーチーズだったな!健にしては大盤振る舞いしたな!一体どいうことだったんだろうか?」
戦闘員は「いや~、頭領のエビグラタンの味評価は、料理評論家のようですね!それにしても、健のやつ、エビを増量したり、チーズもチェダーチーズにしたり、おっしゃる通り、大盤振る舞いでしたね!いつも売り上げの利益を追及しているくせに、どうしたんでしょうね?僕たちが上得意客だからでしょうね!もしくは、何か考えるところがあって、エビを増量したり、チーズを豪華にしたんでしょうか?しかし、利益減のこのしわ寄せが何かくるんでしょうか?」
戦闘員が思っていた通りだった。それもそのはずで、エビは客用で、消費期限が間近だった。チーズはやや割高で、健たちが食べるためにとっておいたものだった。エビと同じく消費期限が迫っていた。それで、上得意客の頭領と戦闘員用のために、健は使用した。健は、この日、決断して、エビとチーズを断腸の思いで使用した。
しばらくして、健がアイスクリームの盛り合わせを運んできた。テーブルにそれを置きながら「アイスクリームの盛り合わせをお持ちしました!お待たせしました!」
頭領は「ちょっと遅かったね。どうかしたの?」と何も知らないように、とぼけて健に尋ねた。
人の悪い頭領だった。
健は「いやあ、ちょっと・・・。取り込んでて遅くなりました。すいませんでした。他に、ご注文はありますか?」
頭領は、健が、内輪揉めを“取り込んでて”と、ぼかしたのが、愉快だった。健の誤魔化す態度を白々しく追求する頭領だった。
頭領は「うん。注文はこれでいいよ。ありがとう。ところで、千鶴ちゃん復帰したね。彼女、よく働いて真面目だけど、無愛想だね。もう少し愛想よくできたらいいのにね。楓梨ちゃんみたいなのが何人もいたら、売り上げが結構増えたりしてね。あ、ごめん。いらないことを言っちゃったね。」と健に、わざとらしく謝った。
健は「ありがとうございます!そんなプランもいいかもしれませんね!」
健は、千鶴は楓梨にこだわりすぎるので、難点だと思っていた。よく働くが、店の売り上げを考えると、やはり頭領の言うことも一理あると思った。ただ、すぐにできないのは、ただでさえ、人手不足なので、千鶴もいてほしいのは、山々だった。
そして、健は、千鶴が、楓梨のことで、腹が立ち、一撃パンチを、テーブルに、打ち込んで、亀裂が入ったので、後日、テーブルを買い替えた。その費用を消耗品とし、千鶴のバイト代から、しっかりと差し引いた。