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第123話

千鶴は頭領と戦闘員に褒められている楓梨を見て、心穏やかではなかった。


千鶴は「ちょっと!楓梨!来なさいよ!」と言って、楓梨の片手を強引につかんでレジの方に強引に連れて行った。


楓梨にしたら、褒めてもらえて、心地よかったので、頭領と戦闘員のそばから離れたいとは思わなかったようだ。


千鶴が楓梨に詰め寄っていた。千鶴が楓梨に「やっぱり私がいない間に彼氏作ってたのね!」と強い口調で責めた。


楓梨は「彼氏なんているわけないよ!そんなわけないじゃない!」と千鶴に強く抗議した。


千鶴は「彼氏がいたから、朝昼晩、毎日スマホで連絡したのに、嫌そうだったのね!それに、明日、帰ると伝えた時、つれない返事をしたね!あの後、気になって、50回ぐらいスマホしたのに、なんの返事もなかった!あの時、うるさいからマナーモードで無視していたんだな!再会して、そのことを尋ねたら“へぇー、そうだったの?千鶴ちゃんが戻ってきてうれしいよ”と言ってたけど、あれも噓だったんだな!彼氏ができると変わるんだな!」続けて「クソ!ババアの付き添いなんか行くんじゃなかった!あのジジイ(敏郎)め!楓梨に男が近づかないように、ちゃんと見張っておけと念を押しておいたのに、役立たずめ!」と強い口調で腹立たしそうだった。


実際、楓梨は千鶴が不在で、息抜きしていたのに、スマホ攻撃されて、うんざりしていた。


楓梨にしたら、うるさい百合の千鶴が、戻ってくるのは、とてもうるさく感じていた。例えていえば、今日は、日曜日の日で、明日は月曜日だから学校や仕事に行きたくないという気分のように、千鶴と会うことを重ねて感じていた。再会してうれしいと言ったのも、いわゆる社交辞令だった。


千鶴は「どんな男なんだ!!!!!吐けぇぇぇぇぇ!!!!!」と怒鳴った!


レジの傍には、小さなテーブルがあった。紙おしぼりや、つまようじが置いてあった。


千鶴は「クソーーーーー!!!!!この怒りどうしてくれよう!!!!!」と叫んで、そのテーブルに右腕の拳を一撃した。“バリーーーーーン”と大きな音がして、テーブルに亀裂が入った!


楓梨は「キャーーーーー!!!!!」と叫んだ。


厨房にいた健と阿蘭は、楓梨の悲鳴と千鶴の怒りの声が聞えた。何事が起ったのかはわからなかったが、健は揉めている2人の仲裁に入ろうとした。


千鶴は頭から湯気が出ているように、怒り心頭のようだった!


健は楓梨に近寄って「楓梨ちゃん!早く逃げてー!」


楓梨は厨房に逃げた。


正義のヒーローのエコーズの仲間内で“逃げろ”というのも、おかしなことだった。


阿蘭も異常に気が付き、厨房から走って、尋常でない千鶴の後ろに素早く回り込み、羽交い絞めをした。阿蘭は「どうどう。」と言って、暴れ馬を止める時の言葉を千鶴にかけた。


千鶴は、暴れ馬のように扱われた。


健は「はい!千鶴ちゃんの好きなものだよ!」と言って、ロリポップの飴1本を千鶴に差し出した。


千鶴の大好物のロリポップが買い置きしておいて、よかったと安堵(あんど)する健だった。


大好きなロリポップを見て、千鶴は、やっと落ち着いた。


功を制して、一応、この場は収まった。しかし、2度とこの手が通じるかどうかは、定かではなかった。


席に座っている頭領と戦闘員に楓梨の悲鳴と千鶴の怒りの声が聞こえていた。


戦闘員は「しめしめ!頭領!予想通り、首尾(しゅび)よく、うまくいってますね!」


頭領と戦闘員は、自分たちの思い通りに事が運び、満足そうだった。

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