第117話
頭領が幼稚園児を人質にして、逆に頭領が困らされた、その日の夜、頭領は、いつもの戦闘員と、いつでも小料理屋に客として、来店していた。
頭領は「今日の戦闘は散々だったなあ。幼稚園児の母親には、下町演劇場とかお笑いの人とか言われて、ワシたち、お笑い芸人に見えるのかな?どこが、笑えるのか教えてほしいもんだな。」
戦闘員は「本当に、そう思ったんでしょうかね?心理学的に、僕が思うには、母親が機転を利かせて、恐ろしい悪魔の僕たちをお笑い芸人に、すり替えて、逃げたんじゃないでしょうか?」
頭領は「うまい!さすが、おぬしじゃ!目の付け所が違う!人の心理を突いているな!専門的で、なかなかよろしい!」
戦闘員は「恐縮です!頭領のお気持ちを癒せる僕は、幸せ者です!」
頭領は「それにしても、あの幼稚園児、しつこかったなあ。ワシが好かれたいのは、おぬしやバイト戦闘員だけで、いいんだけどな・・・。」と戦闘員に、ため息をつきながら、参った表情だった。
戦闘員は「いや、それも頭領がいい人だと幼稚園児が思ったんですよ!子供は見かけで判断しますからね!」と一応、褒めた。
頭領は、それを聞いて「なんだと!?このワシが、いい人に見えるんだな!いかん、いかん!もっと悪に徹しないとダメなんだ!見かけから、悪でないとな!初心に戻れということだな!」と戦闘員に愚痴った。
戦闘員は「すいません!つい、いい人などと言って、失言しました!すいませんでした!至らない僕を許してください!」と頭領に謝った。
頭領は「謝らんでもいいぞ!ワシが不覚なせいだ!これからも、悪を追及しないとな!おぬしに指摘されて、気が付いたぞ!よく教えてくれた!よし!決めたぞ!悪の手ぬるいワシは、これからも、もっともっと悪を貫くぞ!」と戦闘員に決意を新たにした。
戦闘員は、それを聞いて、拍手をして、涙ぐんだ。
頭領は、それを見て、うれしそうだった。
戦闘員の素晴らしいパフォーマンスだった。