第113話
それから数日後の、ある公園でのことだった。エコーズ4人は、いつも通り、頭領たちを待たせていた。
いつもの戦闘員は「頭領!あそこで、バイト戦闘員たちと遊んでいる小さい少年は、誰ですか?」と頭領に尋ねた。
頭領は「ああ!その辺で、お母さんと遊んでいた幼稚園児みたいだけど、お母さんが、買い物に行く間、ブランコの遊戯で待っているように言われたらしいな!お母さんも自転車で行った割には、買い物時間が長いみたいだな!子供を置き去りにして、1人で待たせて心配じゃないのかな?それで、ワシは、とんでもなく悪いことを思いついたんだ!あの幼稚園児を人質にしようと思ってな!エコーズを呼び出して、これから、いじめてやろうと思ってるんだ!」と、いつもの戦闘員にプランを話した。
いつもの戦闘員は「さすが!頭領ですね!人質がいたら、エコーズも、手を出せないでしょうね!これは見ものですね!ワクワクしますね!」と頭領を褒め称えた。
続けて、頭領は「どうやって、幼稚園児をいじめようかのう?幼稚園児を木に張りつけたり、身体を踏みつけたり、もしくは、身体をロープでクルクル巻きにして、いじめてやろう!エコーズのやつら、イライラして、ワシのこと、嫌うだろうな!フフフフフフ・・・・・・。とめどなく悪の血が目覚めたワシじゃ!止めても無駄じゃ!どうしたって止まらない!」と人の悪そうに笑った。
頭領の語りを聞いた、いつもの戦闘員は「キャー!怖い!聞くだけで、身震いがしますよ!恐ろしくて、聞くに堪えません!助けてください!」と言うと、両手で、両耳を隠して、その場に、身震いしながら、首を振って、イヤイヤという動作で、聞きたくないようだった。そして、ヘタヘタと、その場に、力が抜けるように、座り込んだ。
かなりの演劇部だった。
頭領は「そんなに怖いか?恐ろしいか?やっぱり、ワシは、悪魔の帝王だな!!!」
悪を確認できて、頭領は、満足そうだった。
いつもの戦闘員は、オーバーともとれるぐらいの、かなりの恐ろしい芝居だった。いつもの戦闘員の演技こそ、恐ろしいものを見たり聞いたりした時の状況そのものだった。いつでも小料理屋で、頭領と、お相伴したいがために、迫真の演技だった。ある意味、生活の知恵だった。