第108話
頭領は敏郎に「ビールと盛り合わせのお造り2人前ね!」と注文した。
敏郎は頭領に「ありがとうございます。注文お受けしました。」と、またしても、丁寧にお辞儀をして、厨房に戻って行った。
戦闘員が頭領に「敏郎が今日で終わりなので、驚きましたね!すると、また陰キャラの千鶴が復帰ですね。今度は、孫で、大変ですが、ある意味、敏郎の方が、不気味な存在でしたね!ちなみに、頭領、なぜ、スマホで記念撮影なんかしたんですか?僕も、同じように記念撮影しましたけど。何か秘策があるんですか?僕は、頭領のことなので、お考えがあると、踏んでいるんですが。」と尋ねた。
頭領は「それはだな、敏郎撤退記念と、あの敏郎を撮影して、なにか、怪人的な要素がないか、写して探るためだ!研究して、分析して、敏郎怪人を造るのも一案だろう!それで、ワシのスマホで、撮影したというわけだよ!」と戦闘員に答えた。
戦闘員は頭領に「さすが、頭領ですね!目の付け所が違いますね!いや~、御見それしました!」と感心した。
頭領は、戦闘員に敏郎とのスマホ撮影について説明した以外にも、敏郎は、戦闘で、てこずらされたので、いなくなるのは、厄介払いができて、好都合だった。しかし、短い間だったが、敏郎が、いつでも小料理屋で、異常に丁寧な応対が妙に、うれしかった。敏郎の接客は、取りようによっては、ホテルの支配人級だった。庶民的ないつでも小料理屋で、ホテルの待遇を得られるので、まんざら敏郎が、いつでも小料理屋にいてもいいかなという気持ちになっていた。そういう意味で、いつでも小料理屋からの撤退は、残念だった。この2種類の複雑な感情が絡み合って、なんとなく記念撮影してもいいという気になった。
頭領は、戦闘員に、いつでも小料理屋に同伴させて、敏郎の応対の良さで、ホテルに食事に誘っているような気分になっていた。要するに、安上がりにあげようとしていた。