第103話
敏郎は、この前の腰痛のことがあったので、手を腰に当て、気にする素振りをした。前回のように腰痛にならないように、警戒して、攻撃しようと腰に細心の注意を向けていた。
それをすかさず見た頭領は、“腰を気にしているな。”と直感した。
頭領は、敏郎に「あんた!戦う前から、なにを気にしているの?」と揺さぶりをかけた。
いつもの戦闘員は「頭領!得意の嫌がらせ効果が出てますね!敏郎、なんか気分を害しているみたいですよ!」
頭領は「黙っていて、無口で、返事もしないので、たぶん怒っているんだろうな!自分の内にこもる性格!あの千鶴の雰囲気がプンプンするのう!敏郎も千鶴も、暴れる時は、とことんやって、健たちが止めても止まらない時があるからな!どうしたって止まらない!気を付けないとな!敏郎は、その千鶴の直系のおじいだからな!でも、戦闘員たちよ!安心せい!今日こそは、フランケンシュタイン怪人で、必ず期待通りに事が運ぶだろう!」
いつもの戦闘員は「はい!必ず、そのようになるでしょう!」
そして、敏郎は、無言で、すかさず、左手に2本のスティックを持ち、右手の拳を握って、頭領に対して、腕を突き出した。
頭領が「お!?やる気だな!ワシに挑発的な態度だな!いいだろう!敵に不足はない!受けて立つ!覚悟しておれ!お前は、ひざまずけ!泣け!敏郎!エコーズ!」と、しつこく言って、次に、頭領は、フランケンシュタイン怪人に、向きを変えた。
頭領は「エコーズ、特に、敏郎に向かっていけー!ぶっ潰せー!遠慮するなー!」とフランケンシュタイン怪人に命令した。
頭領は敏郎に“受けて立つ”と言いながら、自分は見学だった。フランケンシュタイン怪人に戦うことを命令して、人任せだった。なかなかズルいやり方だった。