第100話
頭領と戦闘員は、ビールと焼き餃子に、すっかりと魅力を感じていた。
頭領が戦闘員に「敏郎のやつ、どうやら、不死身のやつかもしれないな!よく考えたら、千鶴といい、敏郎といい、人間を超えた、超人伝説のような時があるぞ!もしかしたら、健のやつ、あの2人を魔物団から引き入れたのかもしれない!一体、どんなやつらと組んでいるのか、想像もつかないな!健のやつ、あんな、おとなしそうな顔をして、意外と悪人かもしれんぞ!」
戦闘員も「案外、そうかもしれませんね!その読みは当たっているかもしれませんよ!テレビなんかを見ていると、凶悪犯罪の事件があった時、犯人の知り合いが、レポーターの人に“あんな、おとなしい人が、今回のような恐ろしい事件を起こすなんて思いもしませんでした。”って、語ってるじゃありませんか!一見、おとなしい人間ほど残虐性があるんですよ!健も、善人の仮面をかぶっていて、それでいて、本当は、凶悪な悪人で、恐ろしいやつなんですよ!そうなると、僕たちは、とんでもないやつを相手にして、戦っているのかもしれませんね!あ~怖い!」と怖がった。
戦闘員の想像力は、たくましかった。
頭領は「これは、急いで、フランケンシュタイン怪人の修理を急がねばならないな!それもあって、敏郎に、料理の追加は、遠慮したんだよ!」
戦闘員は頭領に「さすが頭領ですね!次のことを考えておられるとは!頭領には頭が下がります!」と感心しながら褒めた。
頭領は怪人を修理するために、追加の料理は、やめたはずなのに、ビールは、しっかりと飲んでいた。普通は料理を頼んでも、アルコールは飲まないはずだ。戦闘員は、このことに気付いていたが、これを指摘するのは、さすがに、まずいと思い、このことについて触れるのは避けた。
頭領と戦闘員は、自分たちこそ悪の組織で、魔物と精通しているのに、健を凶悪な悪人だと断定していた。人のことを言えた義理ではなかった。