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魔王に化けてエリア1へ

開かれた扉。

中から魔王の手下が現れた。

作戦開始。


意表を突く。

おい! 遅いぞ!

魔王様なぜこのような場所に?

魔王様だと?

はい。このようなところになぜ?

なぜだと? 分からないのか!


魔王モードで屈服させる。


お前の持ってくる物はいつも偏っている。

はっきり言って飽きた。

だから魔王自ら出向いたのだ。文句あるか?


いえ。魔王様はいつでも正しいであります。

無駄話は良い。こいつを運ぶぞ! 早くしろ!


これは一体……

ああ人間だ。間抜けな冒険者諸君だ。


まさかお召し上がりになるのですか?

私の好みに文句でもあるのか? 不満か?

いえ。滅相もございません。


あれ…… おかしいな……

手下は違和感を覚えた。しかし当然そのことを確かめる勇気も立場にもない。

ただ魔王に従うのみ。


どうした? 早く行くぞ!

はい。分かりました。


昇降機を開き文豪たちを乗せる。


魔王様。私が……

よい。好きにさせろ!


そ…… そうですか……

まだ疑念を抱いている手下。


昇降機は閉まると上昇。


徐々にスピード上げていく。

エリア4を超え王子たちのいるエリア3へと。

それを超えるとエリア2が見えてきた。


魔王様本当によろしいのですね?

うん?

このような得体の知れない輩をエリア1に入れて。


気にするな。逃げられるはずもない。もちろん助けも来んだろう。

大丈夫かなあ……


この魔王様に逆らう気か?

いえ。そのようなつもりではございません。

ならばこれ以上口答えをするな! 分かったな?


魔王の圧にやられ声が出ない。

少々かわいそうだがこれもエリア1に行くための作戦。犠牲は付き物。

所詮モンスターなのだ。同情は禁物。

厳しさが求められている。


儂は魔王! 儂は魔王様だぞ! 儂の話を聞け!


ついついいつもの癖が出てしまう。


文豪……

ドロップが睨む。


バレては水の泡。

余計な言動は慎むに限る。


魔王様。もう間もなく着きます。

そうか。


昇降機は動きを止めた。

扉が開く。


ついに到着。

エリア1。


懐かしい。

初めてではない。

初日に感じた空気感はそのままだ。


おい!

はっは!


畏まる手下。

機嫌を悪くされてはと細心の注意を払い任に当たっている。


悪いが頼まれてくれないか。

何なりとお申し付けください。


手下はへりくだる。


今夜の食事だがな。どうだろうこんな珍味もあることだパッと豪勢にいこうではないか。

急いでこれに合う野菜や果物等の食材を用意してくれんか?


それは構いませんが……

すぐに下界から調達してきてくれ!

はい!


急いでくれ!

手下を急かす。


手下は文豪たちを置いて昇降機で下界へ。


戻ってくるのには早くても一時間はかかるだろう。

邪魔者は居なくなった。

後は魔王を探すのみ。


文豪!

ほら早く!


魔王の魂を無理矢理吐かせる。

おええ!


もう少し優しくできんか!

急いでるの! ワガママ言わない!

虫……


醜い魔王から渋い文豪へ姿を戻した。


ふう…… 魔王も楽ではないわ。


文豪よくやった!

ハーレムの皆からお褒めの言葉を頂く。


魔王作戦成功。


ティンが切り出す。


まだ少し時間に余裕があるわね。

皆お別れの時が近づいている。

魔王と戦う前に気持ちの整理をするといいわ。


ティンがいつになく気をきかせる。

さすがはお助けキャラ。文豪の役に立っている。


ドロップが恥ずかしそうに近づいてくる。


文豪あのね……

うん? 何じゃはっきりせい!

最後に一つだけお願いがあるの。


文豪の妄想は現実に?


王子様を返して! 私の王子様を!

ドロップは未だに王子との生活を夢見ていたようだ。


ふん。奴には間違えなく数えきれんほどの女がいる。

もう儂らのことなどとうに忘れてるかもしれんぞ!


王子を悪く言わないで!

文豪の馬鹿! 最低!


捨て台詞を吐いて下がる。


ドロップこれでいいの?

ええ。すっきりしたわ。

では次の人。


次は私よと手を上げるレイル。


文豪!

レイル!

文豪!

レイル!


二人は見つめ合った。

そして次の瞬間抱き合った。


と思ったのもつかの間。投げられる。


どっど…… どういうことじゃ?

私とドロップを天秤にかけたでしょう? まさかドロップを選ぶなんて!

誤解じゃ! 儂はお前を心から……


言い訳はもういいの。文豪は見境が無さすぎる!

キルルならまだしもティンもいけるなんてどう考えても最低!


オーレならまだしもってどういうこと?

オーレは文豪のこと気に入ってたのに…… 残念だよ……


キルル…… 済まん! 儂はお前を幸せにはできん!


結局ハーレムの皆から拒否される。

何だかんだと上手く行かないものだ。


ティンはどうなの?


私は妖精。お助けキャラ。一応仕事よ。

仕事に私情は禁物。

妖精として案内役として文豪を見てる。


オイオイ…… ハーレムは儂には厳しすぎるわ! 


それぞれの胸の内を明かしたところで切り替えるハーレムたち。

文豪はショックを隠しきれない。


今までの儂の苦労と努力は何だったんじゃ……


いじけては面倒なのでティンが優しくフォローする。


リーダー頑張って!


私たちのリーダー!

文豪!

文豪さん!

文豪様!


他の者も続く。


おだてられては文豪は復活するしかない。


うむ。良かろう。

単純なのだ。


文豪?

うむ。

文豪?

復活!


何とか立ち直らせる。


切り替える。

魔王の元へ。


残り一時間を切った。

もう本当に時間が無い。


恋愛モードから本気モードへ。

加速させる。


それにしても手下を見逃すなんてどうしたの?

そうそう。てっきり儂は文豪だぞ! って言って切り捨てるかと思った。


儂はもう殺生はせん。レベルマックスにもなった。

文豪……


どうせ奴ももう少しの命。

儂が魔王を倒せば奴らモンスターも消滅する。


確かにそうだけど……


そうだ気になったんだけど老魔王はどうなるのティン?


私にも分からない。でもこのまま平和な大地に身を置くんじゃないかな。

魔王と共に魔王の里に行くことは無いと思う。


そうじゃな。奴一人では何もできん。再びいい人に戻るやも知れんしの。


ワイワイ

ガヤガヤ


ストップ! 話はこれくらいで。魔王を見つけましょう!


ティンが残り時間を見る。

もう一時間を切った。


では文豪お願い。


うむ。皆の者よくここまで着いてきてくれた。

褒美を取らすぞ。


冗談はいいから進めて!

レイルが冷静に流す。


うむ。皆の者。時は来た。

おう!


いいなレイル?

早く進めて!

ドッロップも。

うん。

キルルも見守ってくれ。

オーレの出番はないのかな。


よし。虫よ着いてきてくれ。

はいはい。


魔王を倒すぞ!

おう!


よし行くぞ!

おう!


出発だ!

おう!


文豪たちは最後の敵魔王討伐に向かう。


                     続く


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