モンスターの脅威
レベルアップし体力も回復した一行。
今後の作戦を話し合う。
ははは!
後は魔王を探し出すだけじゃ。
文豪。探すも何もエリア1に行けばいいと思うんだけど。
それが甘いと言うんじゃドロップ。道はあってないようなもの。そうじゃろ虫よ?
ええ。文豪の言う通り。おそらくエリア1には普通にはいけない。
ではどうしたらいいの?
それは…… レイルお前が導くのだ。
私が…… でも……
お主が我らを導くレールなのだから。
はああ?
いやいや。地図係のドロップが適任じゃったかのう。
ええっ? 私なの?
しょうがないのう。では虫でもよかろう。
ハイハイ。冗談はそれくらいで。
話は後。来るわよ!
文豪たちはなおも向かってくるモンスターを片付ける。
しかし彼らの数も力も相当なもので徐々に体力が失われていった。
ぎゃああ!
いぎゃああ!
モンスターは策もなく突っ込んでくる。
発散!
キル!
文豪そっちに行った!
またか。もう飽きたわ……
発散!
発散!
どうしたドロップ? 手榴弾で止めを刺さんか!
だめ! もうあと二つしかない。
しょうがないのう。レイル頼んだ!
発散!
発散!
どうにか目の前の敵を倒す。
よし皆行くぞ!
待って……
オーレはもう疲れた。どっかで休まないと体が持たない。
そうね。キルルの言う通り。
いったん休憩。
目の前には登り道が。
どうやら丘になっているようだ。
状況確認のためにもとりあえず丘へ向かう。
ふう辛いのう。これはこれでキツイ。
温存していた体力を使い安全な場所を確保。
文豪どう?
うーむ。やはり今のところモンスターは見当たらないわ。
儂らが全て始末してしまったのだろう。
今虫に調べさせている。
皆は体力回復に努めよ。
この後どうなるか分からんからな。
とりあえず落ち着く事ができた。
体力も徐々に戻ってきた。
半分近くは戻した。
後はゆっくり眠れば完全回復。
必殺技も発散も問題なくできるようになるはず。
あの……
どうしたドロップ?
それが…… 手榴弾が底をついて……
本当か?
ええもう一つしかない。どうしよう……
気にするでない。もうモンスターは襲ってこないはず。
文豪!
大丈夫じゃ。それよりも他のアイテムは?
ええっとそっちも…… 何て言ったらいいのかイベントアイテム以外もうない。
なぜ補充しておかなかった?
だって…… いきなりだから……
エリア2を前にしてアイテムをきちんと揃えられなかった。
苦戦している原因もそこにあると言っても過言ではない。
だって……
言い訳は見苦しいぞ! 道具係は誰じゃ?
王子……
引き継いだのは確か文豪ではありませんでしたか?
レイルよ。余計なことは言うな! これはリーダーとして、王として問うている。
だから文豪!
文豪!
文豪が悪いの!
醜い擦り付け合いは見苦しいぞ!
だから文豪!
文豪の責任!
オーレも今回は文豪が悪いと思うよ。
レイル!
文豪!
ドロップじゃ!
文豪に決まってる!
キルルよ全てお前の責任じゃ!
オーレの訳ないだろ。あんただよ文豪!
再びハーレムに確執が生まれる。
そこにティンが戻ってきた。
ちょっと何してるあなた達?
虫はどう思う?
もう! 今はそんなことどうでもいいでしょう!
そうは行かん! これはハーレムの問題。
はいはい。分かった。分かった。でもとにかく落ち着いて。
今はそんなくだらないことで争ってる場合じゃないでしょう?
何か分かったのか?
ええ。大分まずい状況よ。
残りのモンスターが集結してこっちに向かっている。
なぜじゃ? なぜ分かる?
臭うのよ文豪。
儂? 儂のせいだと言うのかドロップ?
ごめんなさい。実は……
ティンは思い当たる節があるようだ。
明るくしたのがまずかったみたい。モンスターの視力はけた違いよ。
こちらからだと良く分からないだろうけど視力の良いモンスターには丸わかりよ。
もう間もなく到着する。
ほら。薄っすら見えて来たでしょう。
本当だ。
何? どこ? 見えんが。
爺さんには無理だって。私でもギリギリ見えるか見えないかの影。
意外なところでドロップの能力が発揮された。
どう?
うーん。やっぱり。これはもう無理かも……
影を捉えた。
どれくらいじゃ?
少なくても百体。多ければ二百体を超える。
何?
本当なのドロップ?
ええ間違えない。もう間もなく。あと十五分もしないで取り囲まれちゃう。
うーむ。確かに迫ってく音がする。
どうしよう文豪?
知らん! もうこの際戦うしかないじゃろ。
ええ?
諦めると言うのも手じゃがな。
ティンお願い。
レイル。私にそんな力ない。
だったらいい手を考えてよ。
ドロップ。ごめんなさい。それはできません。
オーレだったら最後まで戦うよ。
まったく呑気な奴じゃ。
叫び声が大きくなった。
地響きがする。
丘の上では逃げようにも打つ手がない。
後は最後まで戦って散るしかない。
エリア2では今までのように不死身とはいかない。
それどころかティンがやられればもう強制的に魔王の里へ。
打つ手なしの上に逃げ道もない。
まさしく絶対絶命。
後は天に身を任せるだけだ。
よしここは潔く逃げも隠れもせず向かっていくぞ!
ええ?
覚悟を決めよ!
もう分かった。仕方がない。
文豪たちは最終決戦に臨む。
続く