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謁見

そうここは聖地ラルクラード。私の故郷でもあります。


故郷?

はい。あのレインボードラゴンも家で飼われていたペットで自分の不注意で逃げ出してしまいました。もう会えないと思っていたけれど……


まさかお主あの……

はい。追いかけるうちに迷子となり、いつの間にかハブへ来ていました。

うーむ。良く分からんが理解した。

文豪さん。


ではお主は聖地ラルクラードの住民。そうなるとどうやら王子と言うのは本当でこの国の王子と言うことだったのか?


疑ってたの文豪?

ドロップだって少しは疑っていただろ?

ええ。でもこれではっきりした。


オーレには良く分からないや。

キルルは黙ってて! 混乱する。


レイルが王子に続きを促す。


王子は告白を続ける。

あの子はナナって言って……


それは分かった。ドラゴンはこの際どうでも良い。あなたはこの世界の人だったの? なぜその事を言わなかったの?


王子は再び黙る。

おいどうした?


それは…… 記憶が曖昧だったのと実は自分は聖地ラルクラードを離れたことがありませんでした。もちろん外の世界があるのは何となく分かっていたしそれが下界にある事も薄々は。だから気づかなかったんだ。まさか自分が、いえ父が治めている世界を冒険しているなど夢にも思わなかった。


うむ。そうかそうか。良く告白したな王子よ。儂は嬉しい。

文豪さん……


私達は元から王子の味方。

そうね。

うんうん。

皆さん……


王子は全てを打ち明けた。


ストーリーサクセス。


王子はレベルアップした。


レベルが30になった。

王子は剣士の素質を開花させた。


ありがとう皆さん。

泣くでない! 王子ともあろう者が情けない。


文豪!

しかし甘やかすわけにもいかんじゃろ。


大丈夫王子?

はい。自分はもう立派な戦士です。

うむ。それは認めてやろう。


文豪!


はっはは! 楽しいな…… こんな旅ももう少しで終わり。


どうした王子。やけに弱気になりおって。

いえ。何でも。それよりももうそろそろです。


うん?


我が館。ラルクラード。


何? 何ちゅうデカさをしてるんじゃ? これはたまげた。


まあ王の住まいですから当然。


あのいけ好かない大富豪の家など目ではない。


どこまで続いているのか?

いえいえ。ただ大きいだけで特に違いは……


巨大な白の建造物。

どこがどうなっているのか皆目見当もつかない。


お宝はザックザック。


涎が出そうじゃ。

トレジャーハンター文豪の血が騒ぐ。


王子様! 私の王子様!

欲に目が眩んだドロップが王子に引っ付く。


ちょっと私が先でしょう!

オーレだっている!


女性陣は醜い争いを始める。


まったく愚かしい。

文豪は人のこと言えないでしょう!

何? 儂は文豪だぞ!

はいはい。


無視をするな! 儂は王でもあるのだぞ!


王子が無益な争いを必死に止める。


皆さん落ち着いて。文豪さんも。

父を紹介します。


何。王の謁見を許すと言うのか?


光り輝く白き館ラルクラードから一人の男が走ってきた。


やはり王子様。私の目に狂いはありません。

ホール。ホールじゃないか。


執事のホールだった。


心配したんですよ。まったくどこに行ってたんですか?

それが実は……

とにかく帰ってきて何よりです。王様が心配しています。すぐに王様の元へ。


有無を言わせずに引っ張っていく。


儂らもついでに。

王の謁見が叶う。


おい何も見えんが?

我慢してよ文豪!

すいません皆さん。これは決まりなんです。


ホールと王子に連れられて館に入る。

もう取っても良かろう?

申し訳ありません。謁見の間までは決して外すなと日頃から言われております。


だが儂は文豪だぞ!

うるさい! 早く歩いて! 後ろがつっかえてるのが分からないの?


文豪さんもドロップもしゃべらないで!

ふん。何と無礼な!


早く行って!

文豪は目隠ししたまま突き飛ばされる。


ふうふう。

もういいか?

まだです。


もういいかい?

まだだよ。

ふざけないの!


五人は謁見の間へ通される。


よくおいで下さいました。

もうお取りくださって結構ですよ。


うむ。しかしなかなか……


ホール手伝ってやりなさい。

はい旦那様。


王の命令は絶対。

例えいくら間違ったことを言っても正すのではなく必ず従う。

それが掟。


ようこそラルクラードへ。

歓迎するぞ。


ふん。そうは思えんがまあ良かろう。

お主がこの世界を収める王なのか?


いかにも。ラルクラード六世である。

この家出中の王子が我が息子のラルクラード七世である。


ほお。それは。


用件を聞く前にまずは王子をここまで連れてきていただいたことに感謝します。

お礼はたっぷりと。


ほう。ではさっそく。

魔王の住むエリアワンにはどう行けばいい?


うーむ。それは教えたいのはやまやまなのだががこの王でもこのラルクラード六世でも分からないことがある。


ほうご存じないと?


お恥ずかしい。彼らは私の力が及ばない唯一の存在。

ただ命令に従うのみです。


ではまったく手掛かりがないと言うんじゃな?


いや。方法はある。だが命の保証はできない。

それでもいいと言うなら教えるが。


うーん。命の保証ができない?

我らは不死身。それでもできないと?


はい。


どうしよう文豪?

儂に聞くな!

文豪!

何とかなるじゃろ。


文豪は覚悟を決めた。


                    続く




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