トレインに乗って第四エリアへ
第四エリアにはトレインで行くしかない。
しかし肝心のチケットが無い。
チケットを求めて。
文豪?
どうしよう……
文豪ってば!
うるさい! 今考え中じゃ!
もう。それよりも最後の手紙を渡しちゃいなさいよ!
うむ。心得た。
おーい誰か? 手紙じゃ。受け取るがよい。
パパからだ。
男の子が文豪からひったくる。
この……
すみません。こら!
母親と思しき女性が頭を下げる。
男の子が手紙を読み始めた。
良かったわね。
うむ。
どうやら待ちわびていたようで嬉しそうに何度も読み返す。
これは良いことをした。
そう思えるクエスト。
ミッションコンプリート。
文豪はレベルアップした。
レベルが一気に90になった。
爺ちゃんこれ。
うむ。何じゃこれ?
チケットだよ。欲しがってただろ?
おう。くれるのか?
うん。お礼。
しかし……
いいんです。旅行の予定でしたが主人がもうすぐ帰ってきますので無駄になってしまいます。どうぞご遠慮なさらずにお受け取り下さい。
手紙のお礼にとチケットを頂く。
トレインのチケットゲット!
ふうふう
はあはあ
急いで文豪! もう出発の時刻よ。
時刻はもう間もなく明日を迎える。
深夜零時過ぎにトレインが出発する。
真っ暗な中トレインの重くてがっしりした車体が浮かんできた。
トレインは駅で出発するのを今か今かと待ち構えている。
線路はどこに繋がっているのやら。
暗くてよく見えない。
さあ着いたわよ。
うむ。
敵が現れた。
闇の処刑人が向かってくる。
逃げて文豪!
大げさじゃの。
闇の処刑人は高速で歩き出す。
何じゃこいつ?
手を見て!
ううん?
両手に短剣が見える。
双剣を交互に振り回す。
襲ってきた。
歩く速度だったため回避。
虫よ何とかしてくれ!
もう仕方ないわね。
発散
発散
ダメだわ。全然効かない!
退散!
ひええ!
どうにか逃走に成功。
と思ったのもつかの間。新たな敵が現れる。
闇人間が襲ってきた。
見た目はそのまま人間なので油断。
話し合えば分かる。
儂らは……
そう言っている間にも間合いを詰められてしまう。
闇人間は容赦なく向かってくる。
避けきれずに転倒。
大した怪我なく反撃を開始する。
剣を振るうがまったく役に立たない。
剣では倒せないらしい。
そう分かっただけでもいい。
ライトニングを使う。
発散!
闇人間はただの闇の一部になった。
文豪はレベルアップ。
レベル91となった。
夜に活発に動き回るモンスターをかわし駅に到着。
後は出発するだけだ。
弁当!
こんな夜更けに何を言ってるの? 我慢しなさい!
虫よ。そう言わずに旅の醍醐味ではないか。
だから夜には無いって!
ふん。品ぞろいが悪くていかん!
腹を空かせてトレインに乗り込む。
腹が減ったの……
空腹で腹が鳴る。
前の人に着いて行く。
とりあえず席を確保する。
ふう疲れたわ。
お疲れ様文豪。
一息つく暇も無くいきなり走り出した。
窓を見るが真っ暗でまったく分からない。
ねえ文豪。眠くない?
うーん。腹ペコで眠れんわ。
ぐおー
ぎゅうー
文豪?
もう!
私も眠くなったみたい……
二人は眠りについた。
列車はどこまでも走っていく。
乗客を乗せ大空に浮かび始めた。
上に上に。
ゆっくり速度を上げていく。
ついには第五エリアを抜ける。
もう間もなく第四エリアだ。
闇夜に浮かぶわずかな光。
トレインは第四エリアへ。
翌朝。
ふああー よく寝た。
ティンはまだ眠りから覚めない。
見渡すと周りの乗客もほとんどが目覚めておらずどうやら一番早い。とりあえずもうひと眠り。
虫! 起きないか!
お腹が空いたのでとりあえず食事にする。
もうちょっと何なの?
朝飯にするぞ。
あらあら。朝から元気ね。お爺さんは早起きだから困る。
ふん。虫の分際で。早く行くぞ!
あれ? いつの間に眠ったのかしら? 文豪は?
儂は出発してすぐに。
そうだったわね。どういう事かしら?
細かいことは気にするな! 早く飯を。
急いで朝食を済ませる。
ここはどこじゃ?
第四エリアに間違いない。
ではここに王子たちが?
ええ。間違いない。たぶんここで……
どうした?
いえ、何でもない。急ぎましょう。
第四エリア。
とりあえず知っていそうな人を探すのよ。
宿屋で聞き込み。
ここ最近冒険者を見なかったか?
そうですね。うーん。あ! 来ましたよ。
何?
六人組の男女。
訳ありって感じでしたのでよく覚えています。
おうおう。それでどこに行ったか分かるか?
そこまでは……
手がかりなしか。
でもたぶんあそこだと思いますがね。
知っているのか?
あの髭の人はよくここに来るんです。いつも女性を連れて。
たぶん売りつけようとしているのではないかと。
売りつける? 誰にじゃ?
それはもちろんマハラジャにですよ。
うん。マハラジャ?
大富豪のことですよ。
さっぱりわからん。
面倒くさいなあもう。
私から説明させて。
虫よ。どういう事じゃ?
第四エリアはね大富豪やマハラジャしかいないの。
後はその関係者や家族に使用人。それからお店があるだけ。
ええそうです。私の店も彼らの援助なくしては生きていけません。
大のお得意様って訳です。
良く分からんがいけ好かない金持ちの集まりと言うことでいいのか?
うん。だからこのエリアにはモンスターも居ないってわけ。
本当に過ごしやすい理想郷よ。
言い過ぎですよお客さん。ここはそんなきれいなところではありません。
人間を奴隷のように扱う最低な人間の集まる場所。
だから毎日人が売り買いされている。
恐ろしい所じゃのう。
ええ。気をつけてくださいねお客さん。少しでも油断すればたちまち奴隷にされてしまいます。
どこも人手不足っと言ったところか。
自分の思い通りにならいと捨てて新しいのに替えるんです。
ワガママな奴じゃのう。
それが彼らなりのステータスと言いますか意地の張り合いと言いますか。
夜にここに行ってみてください。お目当ての物が見つかるかもしれません。
そう言うと簡単な地図を描いてくれた。
宿屋の次に服屋と道具屋を回る。最後に武器屋で最新のソードを購入。
準備は整った。
後は会場に向かうのみだ。
続く




