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文豪一人旅

目的地に到着。


水じゃ! 水をくれ!

髭面に許しを請う。


おら。今のうちに他の者も水分補給しておけ!

大事な商品だからな。


人の気配。

先端までやって来たようだ。

この先はもう行き止まりらしい。


通行証を見せよ!


よし。通るがよい。


何じゃこれは?

見たことのない果実が生っている。

ほのかに香る程度。梨の一種だとか。


人間か?

へい。ちょっとね。

まあ良い。ほどほどにな。


先端の先端に向かう。


突如として巨大な穴が出現。


何じゃこれは!

一体何が?


うるさい! 黙ってろ!

お前らは知っているのだろ。違うか?

良いから大人しくついて来い!



穴までは十分程度で行ける。


穴をよく見ると何かがかかっている。

ロープだ。

それに階段?


髭面が話し始めた。


下はエリア7

上はエリア5

自由に行き来ができる。


上を見上げる。

大空が見えるだけ。


上へはこの梨を食べればいい。

重力に影響されない。

余裕で上のエリアに行ける。


試しに仲間の男が一口かじる。


浮き出した。


いいか。よく聞け! 一度に一個までだ。

それ以上食えば体に影響が出る。

効果は三十分弱だ。

急がないと墜落するぞ!


王子を人質に皆を先に行かせる。


儂はまだ食べてないのだが?


爺さんはここでお別れだ。

あばよ!


けり落とした。


文豪だけ大きな穴に吸い込まれる。


文豪!

ほら早く行け!


文豪さん!

お前も行くぞ!


王子と共に髭面が上昇。


エリア5へ。


うおおお!

文豪!

お助け!


すぐに音は止み。静寂に支配された。


文豪はエリア7へ。


意識を失う。


文豪の運命は?


おい! おい!

うん。何じゃ夏…… 

おい! 邪魔だよ!


誰だお前は?

あんたこそ見かけない顔だな。酔っぱらいか?

儂は文豪だぞ! 儂の話を聞け!


文豪復活。


ここはどこ?


記憶喪失かい爺さん。

知るかよ! そこをどきな! 作業の邪魔だ!


男が二人立っていた。


何をやっておる?

見て分かんないのか? 道を作ってんだ。

うん?


何も知らねえんだな。上のお達しさ。

新しく昇降機を作る計画さ。


昇降機?


ああ。何でもこれが完成すると第一エリアに行けるらしいのさ。

それどころかどのエリアにも行けるようになる。もちろんここが終点だ。

これより下には行けねい。


ほうほう。


そこに行くまでの道もしっかり作らないとならない。


お主らはここの者か?


いや。元々第五エリアに住んでいた。しかしお達しが出て若い者は駆り出されたのさ。ここに居る奴のほとんどが第五エリアから来ている。


もうそろそろ完成さ。そうすれば解放される。

久しぶりにガキの顔を見れるってわけだ。


いつ完成じゃ?


多分。十日以内にはできるだろう。俺の勘だがな。

そん時はお前にも乗せてやる。

俺もこれに乗って帰るつもりだ。


目を輝かせて語ってみせる。


だからそこをどけ! いつまでも寝てるんじゃない!

ふん。邪魔したの。


体を動かす。

どこも痛くない。強靭な肉体に感謝。


近くの者に聞き村を訪ねる。


あの果実さえあれば儂も上に行ける。

早くしなければ手遅れだ。


儂はもう独りぼっち。

どうすればいい?


途方に暮れる。


夏……


お忘れじゃない?

虫か?


そうティンよ。あなたが無事なのは私が治療したから。

感謝しなさいよ。


虫よ。では助けてくれるのだな?

あの果実はどこだ?


知らないわよ! 

役に立たんのう。何がお助けキャラなものか。

まったくこの爺さんは! もう知らない!


怒らせてしまった。


いや済まん。虫よ。儂はどうすればいい?

果実を探すんでしょう?

よし先導はお前に任せる。

もう、調子いいんだから。


ティンの助けを借りる。


猫の手も借りたいのだ虫だって役に立ってもらわなくてはな。


こっちよ!

ただついて行く。


本当は手助けしてはいけない決まりなんだけどなあ。

虫と儂の中じゃないか。

はいはい。お爺さんの世話は疲れる。


目的がはっきりした。

はぐれた仲間を救出。

そしてハーレムを築く。

最終目標は魔王を倒す。


よし何とかなりそうだ。

切り替えて行こう。


ティンの導きで最初の村に辿り着く。


ワイルドシティー


村ではなく町のようだ。


ひとまず一泊。


翌日。


大味の肉料理を朝から平らげる。

満腹。


ティンは食わんのか?

遠慮しておくわ。太っちゃうもの。


小さい体の為すぐに体形に影響してしまうらしい。


ふっくらした妖精なんて嫌でしょう?

気にしすぎじゃろ。儂はどっちでも構わんがの。

いいから早く出かけるわよ!


虫は無視じゃ!


妖精だって!


いかがでしたか?

主人が感想を求めている。


ああ。良い味付けだ。儂は気に入った。

それは良かった。またお越しください。


そうだ。何か食後のフルーツみたいなものは無いか。

それでしたらオレンジがあります。

オレンジか。それもいいが梨はないかの?

梨ですか。うちでは取り扱っておりません。


ではどこで食える?

ウーン。この町には無いと思いますが。

それでは困る! 今すぐ食べたいのだ!


ただの迷惑客でしかない。


でしたらこの町を出まして二時間の村に梨の木があったと記憶しています。

本当じゃな?


ええ。しかしこの梨は大変貴重なのでお高くなっております。

それとよそ者に売るかどうかも分かりません。

もしどうしても食べたいのであれば村の長老に頼むんですね。


梨のような食べ物。


正式名は浮遊の実。

一年中生っているらしい。


貴重な情報をゲット。

気持ちよく村を出る。


昨日買い揃えていたブロンズ・ソードと銅の防具一式を身に着ける。


虫よ。最短距離で頼む。

ワガママ言わないの! ほらこっち。


舗装された道を進む。


さすがはシティー周辺。歩きやすいわ。

文豪そっちじゃないでしょう!


ちょっと目を離した隙に逆走。

方向音痴は治らない。


                    続く



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