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人梨村

第六エリア。

霊魂村付近。


地図係のドロップが村で手に入れた地図を片手に歩き出す。


もう疲れた!


文豪の不満が爆発。

不満と言うよりもワガママ。

情けないことに我慢出来なくなっている。


何とかならんか。こう荷物が多くては敵わん!


リーダー兼荷物係。


文句ばっかり言ってないで早く来なさい!

ドロップ……

文豪! 口答えしないの!


儂はリーダーだぞ?

だから?

この物語の主人公でもある。

それが何? みんな疲れてるの!


しかし……

急いで!


もはや尊敬はされていない。

もう少し労わってもいいものだが。

愚痴は届くはずもなく延々歩かされる。


モンスター出現。

梨の化け物が現れた。


我は……


一刺し。

名乗る暇も無くキルルによって切り刻まれる。


仕上げに楊枝をブッ刺して消滅。


味気ない。


文豪はレベルアップ。

レベル77になった。

知能が少しだけアップした。


王子大丈夫ですか?

存在感のない王子の心配をする女性陣。


大丈夫です皆さん。それよりも文豪さんの方が大変そうだ。

うん! それでこそ王子! 我が息子よ! 王は嬉しいぞ。


文豪! 


それにしても手応えの無い奴だったな。

これなら王子でも行けるのではないか。


はい!

乗せられた王子は剣を構える。


敵が現れた。

梨の化け物が三体現れた。


ちょうどいい。試すとしよう。

王子。おやめください。もしものことがあったらどうするのですか?


王子は聞く耳を持たない。


文豪も加勢する。


行くぞ!


ヒット!

しかし見習いの身では大した力は無く。


よし儂に任せろ!


手榴弾を投下。

逃げる隙を与えずに消滅させる。


王子とドロップはレベル7になった。

梨園のチケットを手に入れた。


歩き出す。


暗くなってきた。


レイルが急に発散。

繁みに隠れ待ち伏せしていた梨の化け物二体を退治する。


文豪はレベルアップ。

レベルが78になった。


まずいわね。夜になって魔物が活発になったら厄介よ。

レイルの言う通りじゃ。早く泊まるところを探すぞ!


分かってるって!

ドロップは地図を広げ泊まれるところを探す。


この地図見づらい。たぶんこっちでいいと思う。

自信がなさそうに歩き出す。


日が暮れ始めている。急がねばならない。


敵出現。

歌舞伎野郎が現れた。


見栄を切って威嚇する。


まずいわ眼力が凄い。もう吸い込まれそう。

どうする?

私に任せて。


レイルの発散。

しかし効き目は無いようだ。


ならば仕方がない。キルル。

オーレに任せろ!


ううう!

歯が立たない。


仕方ないのう。儂が成敗してやるわ。

ナマクラ刀を振り下ろす。

しかし手応えが無い。


ならばこれでどうだ?


発散!


レイルも加わる。


ダメじゃ! 奴はぴんぴんしておる。


では自分が!


王子お止めください。これはお遊びではないのです。

レイルが必死に止める。


打つ手なし?

奴は不死身か?


うん。これならどうじゃ!

梨園のチケットを渡す。


効果が無い。


済まぬ済まぬ。

返してもらおう。


歌舞伎野郎は大人しく従う。


なんじゃ。聞き分けはいいらしい。

見逃してやる。どこにでも行きやがれ!


ハッタリをかます。


文豪! 無茶よ!


歌舞伎野郎は大人しく姿を消した。


文豪たちは危機を脱した。

歌舞伎野郎は大量に余った梨園のチケットを落としていった。


うむ。実に聞き分けの良い若者じゃ。

急ぐのよ文豪!


まあ。焦るな。また来たら追い返せばいい。

あの性格では再び来るとは思えんがの。

ふふっふ……


きっちり五分後に現れた。

律儀な奴。


もう一人連れて来た。


おいおい。何をしておる。早く行かぬか!

文豪の圧にやられ去って行く。


あーあ。危なかった。文豪急ぎましょう。

儂の勘では五分後にまた現れる。

冗談でしょう。あんなのもうごめんよ。

そうは言ってもドロップ。


とにかく急ぐ。

辺りは暗くなっている。

敵さんはどんどん凶暴になっていく。


五分が経過。


ほら現れおった。

文豪! 何か策があるんでしょうね。

まあな。見ておれ。


歌舞伎野郎は仲間を増やし四体となった。

もう口先だけではどうにもならない状態。


知能が少しだけアップした文豪の策は?


これでも喰らえ!

梨園のチケットを歌舞伎野郎の額へ。順に貼っていく。


四体は同時に苦しみだし溶け出した。

跡形もなく消え去った。


恐ろし……


文豪はレベル80になった。


急ぐわよ!

ドロップ近いのか?

ええ。もう……

それは大変じゃ! ここでしても良いぞ。


はあ? お爺ちゃん大丈夫?

トイレを我慢してはいかん!

文豪!

何? 儂の勘違いか。ははっはは。


あんたでしょうトイレが近いのは!

これは一本取られた。ははっはは。


笑ってないで急ぎなさい!

レイルに注意される。


もしかして文豪は闇が怖いんじゃない?

だからそんなにハイテンションになっちゃってまあ。


馬鹿を言うでない。儂は文豪だぞ!

はいはい。なら静かに!


文豪さんも大変ですね。


まったくじゃ。分かってくれるのは王子だけじゃ。

男同士仲良くしようではないか。


いえいえ。遠慮します。

王子……


闇大将が現れた。


何じゃこいつは?


レイルが調べる。


ああ。ダメですね。逃げてください。

今のレベルではおそらく一瞬でやられてしまいます。


手榴弾と発散で混乱させ逃げる。


こっちよ! 文豪危ない!


梨園のチケットを投げる。

効果は無いが足止めにはなる。


村が見えた。


逃走成功。


人梨村。


村へ逃げ込む。


人梨村?

さあ聞いた事ないのう。


当たり前! このエリアは初めてなのよ!


宿を探す。


誰かいませんか?

夜中の訪問。村人は警戒しているのか姿を現さない。


もう寝てしまったのか?

いや。まだ晩飯が終わったぐらいだ。人がいれば反応するはず。


おーい。おーい。誰か?


こっちこっち。


声が聞こえた。


顔は見えないが親切そうだ。


ボロ屋へ。


お邪魔します。

お前らどこから来た?

我々は冒険者。

なんだ。お客さんか。


はい?

心配しなくていい。泊めてやる。

それは助かりました。


髭を生やした年齢不詳のおじさんが微笑む。


気持ちわるいのう。

文豪! 失礼しました。


一晩お世話になる。


                   続く

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