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大事な大事な選択 基準は若くてきれいでかわいくて ヒロイン選びも楽じゃない

ただ頂点を目指すだけ 文豪昇天


第三クール


文豪ラストダンス

文豪王になる。


お目覚めですか?

うむ。ここはどこじゃ?

地獄です。

うむうむ。地獄とな。それはそれは結構。


地獄へ到着。

何かの手違いで地獄へ。

来てしまった?


あれは昨夜のことです。

あなた達が空から降ってきました。


儂らが空から?

はい。大怪我をされていたようなので診療所まで運びました。


ふむふむ。大体分かった。それで儂らと言ったな。

ええ。他の方はもう回復されて間もなくお見えになるかと。


うーん。記憶が無いのだ。どうしたものか?

それは困りましたね。体の方はもう良いようですのでもう一度お休みになっては?

うむ。そうしよう。


文豪はもうひと眠りすることにした。


お目覚めですか?

うむ。良く寝たわ。


皆さん文豪さんが目を覚まされましたよ。

ちょっと何やってるの文豪!

置いていきますよ。


目の前には女の子が揃っている。

儂の念願だったハーレム生活。

実現させるとはさすが儂だ。


よし皆の者付いて参れ!

またですか文豪さん。

また? 儂は生憎起きるまでの記憶を失っておってな。


よく思い出してよ文豪。どうしてこうなったか。

リーダーのあなたがしっかりしないと困る。


よしここはひとつ思い出してみるか。

確か……

そうだ。ハブに連れ戻されたんだ。


お目覚めですか?

うむ。


ここはどこだ?

ハブです。あなたは冒険者。今すぐここを出て行くことをお勧めします。

何を抜かす。仮にも客だぞ!


急いでください。どんどん宿泊費が加算されていきます。

くそ! 分かった。今すぐ出て行くわ!


今まで滞納した金を清算し店を後にする。


おい! 虫はおらぬか?

虫! 出てこい!


もう。何度言えば分かるの私はティン。虫じゃなくて妖精。

どっちでもいい。この後儂はどうすればいい?

もう三回目よ。自分で判断して!


よし。では向かうとしよう。

どこへ?

夜釣り。

もう!


ティンは必至で止めるももちろん文豪は言う事を聞かない。

コントロール不能に陥った。

始まって早々文豪暴走。


夜釣りに興じる文豪。

糸を垂らす。


ボーっと今後のことを考える。

さすがにまずいか。


夏……

そうだ夏に会いに行こう。


一時間程夜釣りを楽しみミス・コーデルの館へ。


すでに冒険者たちが集まっている。


文豪を待つことなくパーティー編成が進められていた。

何組かはすでに旅立っており夏の姿も見受けられない。

この場で夏と再会は叶わなかった。


済まない夏……

後悔すれどもどうすることもできない。


よし切り替えよう。

とにかく今は仲間を集めねばいけない。

売れ残りだけは勘弁。

急いで残りの四名を選ぶ。


リーダとなったからには今回の人選は全て自分の力でやるべき。

リーダーは選ぶ側だ。

相手に拒否権は無い。


百人近くの冒険者が集う館。

理想と現実に悩んでいる面々。


確かに編成が鍵となるわけだが儂は気にしない。

皆、己の基準がありこだわりがある。


しかし儂は至ってシンプル。


女であること。

綺麗であること。

出来れば若いこと。


この三点である。


さっそく調査開始。


女性の冒険者は目立つ。


声をかけるタイミングを見測る。


おい! 儂の仲間にならぬか?

はい?


爺と見て逃げ出す。


そう拒否権はないが逃げることは可能。

システムの裏を突く巧妙な手口。

これは手強い。


おい! 待たぬか!

儂の! 儂の話を聞け!

文豪だぞ!


しかし逃げ回ってばかりで聞く耳を持たない。


待て! 文豪だぞ!

愚か者め!

 

ハアハア

ハアハア


限界。他を当たる。


おい! さっきからうるさいんだよお前!

儂か? 儂は文豪だぞ!

爺さんよう。少し静かにしてくれないか。

お主は一体?

オーレか? 孤高の戦士だ。よろしくな。


もしかして女か?

ああ。そうだよ。

顔をよく見せてみよ!

おい。近いって。止めろよな。まったく……


照れている様子。


うむ。顔はまあまあか。年は?

はあ? 二十歳だわ。

よろしい。仲間に加えてやる。ありがたく思え。

えええ?

もちろん拒否権は無いぞ。

無いの?


よしさっそく命令だ。手分けして残りの者を集めるぞ。

おお? おーう!

お前はそっちだ。儂は壇上に上がって呼びかける。


演説開始。


皆の者よく聞け! 儂は文豪であるぞ!

儂のパーティーに加わらぬか?

誰か? 誰でも良い。

今から条件を述べる。


まず一つ……


観衆は喚きだした。

おい誰だよあの爺さん。

目障りだ早く叩き出しちまえ!

ひっこめ!


暴走する文豪に観衆はノーを突きつける。


騒ぎを聞きつけミス・コーデルが現れた。


またお爺ちゃん。あなたなの?

前回は結局参加しないでサボってたわね。

その前も遅れてきて散々喚いてトラブルを起こしたわね。


これ以上問題を起こすなら強制的に魔王の里に送ってしまうわよ!

うぐぐ……

うん。聞き訳が良いお爺ちゃんね。ほら早く仲間を集めてね。


もう十分を切ったわ。

皆さんも頼みましたよ。


ミス・コーデルが手を叩いて解散を促す。

皆散らばっていった。


うーむ。やり過ぎたかのう……

あのー。

何じゃ?

二人組の一人が声をかけて来た。


文豪さんですね?

うむ。いかにも。

私達を仲間に加えてくれませんか。

おうおう。よろしい。どれ顔を見してみろ。


恥ずかしそうに笑みを浮かべる女の子。

その隣でうつむき加減の子。


その子は?

えっと。さっき知り合って。私達初心者で心細くて。

うむうむ。理解した。

ではよろしいのですか?

良かろう。


やった! 誰にも見向きもされずに困ってたんです。

では二人は見習いだ。

分かりました。何でもやります。


残り一名となった。

その一人も間もなく見つかるだろう。


ミス・コーデルが時計を確認した。

もう時間が無いようだ。


タイムアップの前に残りの一人を探さなくては。


おーい!


そこまで!

無情にもタイムアップ。


仲間が戻って来た。

一人の女性を連れて時間ぎりぎりに戻って来た。


ハアハア

ハアハア


この人はどう?

どれ見せてみよ。


顔を近づける。


うーん。申し分ない。


大人の色香をまとったレディー。

最後の一人を加えついにパーティー完成。


タイムアップ。

時間切れよ! ほら動かないで!

残りの者は私が勝手に選り分けます。


ミス・コーデルが終了を合図した。


ギリギリでパーティーを編成することに成功。


さっそく自己紹介から行こうか。

まず儂は文豪。

知っている者は多いだろうがこの物語の主人公であり今回の旅のリーダーでもある。いかなる時でも儂の指示に! 指示に従うのだ!


順に紹介してもらおうか。


ほらほらそこゆっくりしてないの!

時間が無いのよ!

急いで世界を選びなさい!


ミス・コーデルからお叱りの言葉をもらった。


よし自己紹介は後回しにしてさっそく旅立つぞ!

はーい!

いやいや。おう! でお願いする。


旅立つぞ!

おう!

よし。それでは行こう。新たな世界へ!

おう!


異世界の扉を開いた。


                  続く


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