ポチの有能な生態
「まだ1層も攻略されておりませんが・・・」
「ふぁ?」
リクトは一瞬何を言っているのかわからなかった。
「ダンジョン創設時1層の守護者ポチが倒されていないのです。」
ポチとは?と頭によぎる
ポチ(番犬ケルベロス)が数万数十万の冒険者を業火に焼き消し、踏みつけ脳天からかぶりつくのが好みらしく、骨ひとつ残さない、大変綺麗好きなペットとのこと。
「今はダンジョン攻略しょうなんて命知らずな冒険者は少なくなってしまいました・・・」
「私たちにとってはかわいいチワワちゃんなんですけどね」
サナは無邪気な笑顔で微笑んでいた。
流石魔王城の幹部頭のネジが飛んでるもしくは感覚が麻痺してやがるw
「魔王会議のお時間が近づいて参りました。」
サナの言葉を合図に魔王城を後にした。
ここは暗黒大陸という太陽の日の明かりも届かなく厚い雲に覆われたいかにも魔王城という佇まいだ。
「でけーというか魔王城からここまでワープできるんだな」
消滅の魔王様お待ちしておりました。
扉の前には魔王城のメイドであろう2人の魔族がで迎えてくれた。
階段を上がるととてつもなく大きな扉が目の前を遮った、
「消滅の魔王様がお見えになりました。」
メイドが扉を開けるとそこには長いテーブルに13人ほど威圧感のある魔族が座っていた。
自分の目がおかしいのか魔族のオーラ的なものが見えたあれが魔力ってやつか?
魔力量が桁違いすぎる魔族が1人真ん中の席に座っていた。
魔王会議ということは全員魔王か‥‥
リクトが怪訝な表情で強張る
今年度の収支についてなんだが消滅の魔王の利益がまたしてもマイナスなのだがどういう事なのか説明したまえ
「はい?」
俺は最初の一言で強張った顔がよくわからない顔に変わった。
魔王城での利益の話をしているのだ何故いつもマイナス収支、
利益を出した試しがない
リクトが焦って秘書改めサナに問いただした。
「魔王城の利益とは我がダンジョンに入ってきた冒険者の所持品もといドロップアイテムと言っていいでしょう。普通ならドロップアイテムを換金して利益を上げるというのが魔王城の運営方法です。ですが‥‥」
サナが事務処理的な口調で物申した。
「魔王リクト様が1階層に配置した番犬ケルベロスのブレスにより塔攻略に来た冒険者はドロップアイテムごと消し炭になってしまうので利益がありません」
「ポチのやつーーーそして何をやってるんだ魔王リクトーー」
俺は腰を崩して天お仰いだ。