一度は言ってみたい言葉
「知らない天井だ」
無意識に一度は言ってみたい言葉を発していた。
知らない天井知らない女知らない部屋
「なんだこれはー」
俺は絶叫し、もがいていた
「魔王さまどうかされましたか?何か悪い夢でも見たのですか?」
「魔王?だれが?つかあんた誰?」
「私ですか?覚えていないのですか?私は消滅の魔王幹部のサナでございます。貴方は消滅の魔王リクト様でございます。」
ベットの近くの鏡に目をやるとそこには見た目は15か16歳程度の少年が写っていた。
「なにこれ俺若くなってる?その前にここはどこだ?魔王ってなんだ誰か説明してくれ。」
ここは何処なんだ?
「まだ寝ぼけておられますか?ここは魔界、消滅の魔王リクト様が家主である魔王城ですよ?」
「ここは魔王城?ということは異世界なのか?それだと納得がいく、俺が少年になっていること、俺と話しているサナという女は耳が長く金髪で人間離れした美しい女性だ」
とにかく俺は冷静になって今の状況を理解しようとした。
俺はリストラされ、第二の人生を楽しむ事を目標にして明日から1年間アニメやゲームやってニート生活を送ろうと思っていたが・・・
「死んだんだな・・・俺」
仕事を辞め張り詰めた線が切れ、永遠の眠りに堕ちてしまったのか、
社畜生活10年が終わって今は異世界で魔王様ライフかぁ違うな違いすぎるだろ・・・
普通転生したら勇者になってチートスキル使ったりハーレムになったり・・・
「これからの予定は魔王会議に出席していただきます。」
サナは秘書のような言い振りで今日の予定を話してくれた。
「会議が終わりましたら魔王城内部のダンジョン階層の確認とその守護者である幹部との打ち合わせがございます。」
魔王城の中にダンジョンがあって階層ごとにボスキャラがいて倒されたら次の階層に行けるということか。
「今まで何回層まで攻略されたのか?」
と秘書っぽいサナに聞いてみた。
サナはキョトンとした目で俺を見ていた