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パロディじゃ終わらせねぇ〜青色の約束〜  作者: 主人公になれないモブ
第0章〜青髪の少女〜
1/1

第1話 始まりの日、こちら側

『パロディを超える』が一つのテーマなので、

パロディ要素が多数出てきます。ご注意ください。


初投稿、ゆっくり更新していきます。

やれやれ。とんだ作品タイトルをしてるじゃないかと一目見て誰もが思った事よのぅ。


しかしまあ憧れというものは時として誰かに倣い、誰かに習い、そして誰かを超えた時に初めて己のモノたり得る。


憧れは目標、目標を真似たら三流、目標に手を加えたら二流、目標を超えたら一流よ。

その時憧れはお主が向けるものから、お主が向けられるものに変わっている事じゃろうて…


さて、前置きはこのくらいにして、

これから始まるのは己が理想の存在を胸に抱き、必ずやその存在をこの世界で見つけんと意気込む男の決意と修羅の物語よ。



----------------


ーアルタイル社 第二オフィス 2階ー

「ここは……どこだ?

なんて言って始まったら異世界転生できたー!!

って心躍るところなんだろうけどなぁ。」


そう呟いたのは、

アルタイル社 デバッグ部のナンバー4、如月零夢きさらぎれいむである。


「何を言うかと思えば、またそんな非現実的な事を。起こるわけないでしょう、ゲームじゃあるまいし。」


と、ただの呟きを全否定してきたこの男の名は、山下明日矢やましたあすや。プログラミング部のちょいイケメンなエリート。現実主義で俺の軽い現実逃避にまでわざわざ口を挟んでくる厄介な奴だ。


そこにキメ顔で一言。


「いちいちそんなことを言う為に、このナンバー4の

男に声をかけに来たわけではあるまいなー?」


「そうですね。如月さんのくだらないお喋りに構っている程、僕は暇じゃないんで。」


なら、さっきはなぜ呟きにツッコんできたのか…?


「こちらを。」


そう言いながら、一枚のプリントを渡してきた。


「これは?」


「見たら分かりませんか?

慰労会の景品アンケートですよ。」


慰労会。うちの会社では毎年、5月に慰労会がある。

社長が何としてでも、花見と一緒にやりたいらしい。

いつも、アンケートは紙で提出する仕組みだ。


「いい加減この時代、アンケートくらいパソコンでやりゃいいのに。」


「知りませんよ。春日さんが言うには『味があるから』らしいですが。僕にはよく分かりませんね。」


「春日は胡散臭ぇからなー。」


春日智人かすがともひと。山下と同じプログラミング部で、山下の上司にあたる。俺と同期でもある自称『武勇伝が絶えないおじさん』。


「では、暇そうな如月さんと違って僕は忙しいんで。そろそろ行きますね。」


俺に背を向けながら手を振り、去る山下。


いちいち感に触る奴だなー!

俺よりちょっと顔がいいからって、俺よりちょっと仕事が早いからって…くそぉっ!


と心の中で呟きながら、仕事にもど…

いや、先にアンケートでも書いとくか。

自分の好きな物の事でも考えていれば、

少しは気も晴れるだろう。


「今年はやっぱり、ベガの『イチカラヤリナオスゲンジツセイカツ』かなぁ。注文殺到してるらしいし。」


ベガは正式名称を『ベガ・クロニクル』という、大手ゲーム会社の事だ。

『イチカラヤリナオスゲンジツセイカツ』はアニメ化もしている大人気小説をゲーム化したもので、俺が好きなロールプレイングゲームである。

アニメも小説も未履修だが、その作品の人気も含めて予約が殺到してるらしい。

うちの社長は業界じゃ有名人らしいから、そこにあやかってやるぜ。

もし景品をとれたらSNSで見せびらかそうかね〜。


----------------


「さて、と。アンケートも書き終えたし…

って、あれ?

誰に渡せばいいんだこれ。」


基本的にはいつも経理部だが、手の空き具合で集計する人間が変わるとか変わらないとか。うちの会社は、部署毎に建物が違っていてデバッグ部とプログラミング部以外は一度外に出る必要がある。


「今年は、本部に渡すらしいですよ。」


そう声をかけてきたのは、後輩の新田理恵(にったりえ)

物静かだが、社会人バレーボールチームでは

キャプテンも務めているバリバリのスポーツ派。


「そうなんだ、ありがとう教えてくれて。」


ちなみに本部とは、よくある執務部みたいなものだが、その権限の強さは凄まじい。


「いえ。如月さん忙しそうなので…良かったら

一緒にアンケート持って行きますよ?」



少し考えた後。


「いや、丁度外の空気も吸いたかったし、

自分で行くよ。むしろ俺が一緒に持って行こうか?」



新田も少し考えた後。


「そうなんですね。でも大丈夫ですよ。

後で別の書類と一緒に持って行くので。」


そう言いながら頭を下げる。

「分かった。それじゃあ行ってくるよ。」


立ち上がり、扉に向かう俺。


「お気をつけて。」


「ん?…うん。」


と何に気をつけるのだろうかと一瞬思ったが、

深く考える事もなく、外に出る。



「本当に、お気をつけて…」


最後にもう一度、心配の言葉を囁く

彼女の不敵な微笑みに俺が気づく事はなかった……

まだまだ物語も序章、いかがでしたか?

と質問するのすら憚れる程に。

次回も序章となりますので、

少々つまらないかもしれませんがご容赦を。


-キャラクター紹介-

如月零夢きさらぎれいむ


何やら名前にまで青髪の少女の文字りが…

傲慢でもなく勤勉でもない、もはや

モブを名乗りながらもNPCより集中力に欠ける

そんなキャラクターである。

現在31歳、あの人と違って運動音痴。黒髪。

薄めの不精髭にTシャツ短パンが基本スタイル。

とあるアニメを見て、青髪の少女と出会う。

彼女に見合う男になる事が最大にして最高の目標。


----------------


山下明日矢やましたあすや


プログラミング部のエース。

現実主義で夢を語る人間を嫌う。

現実逃避しがちな如月を会う度小馬鹿にする為、

実は寂しがり屋なのでは、という噂も。

如月曰く、ちょっとイケメン(実際はかなりイケメン)な26歳。金髪と長身、服装自由の職場でも

常にスーツ姿。

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