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第86話 チンピラにもカツアゲされました

 チンピラのお兄さん方は、俺と星乃を見るとニヤリと笑う。


「いてて、お前、これ骨がアレだろぉ! 完全に折れた感じのアレだろうがコラァ!」

「どう落とし前つけてくれるんじゃ! ええコラ!」


 完全に絡まれてしまい、星乃は涙目になる。

 語彙力も骨折してますよ。


「あ、あわわわ……ご、ごめんなさい! で、でもそんな簡単に骨は折れないと──」

「折れるんだよ! 何か角度とかが奇跡的に合わさってこう……折れたんだよ!」

「そ、そんな……」


 確かにカルシウムは足りてなさそうだ。

 そんなことを考えて現実逃避したかった俺だが、すぐに星乃の腕を引いて自分の背後に隠す。


「星乃、俺に任せろ」

「せ、先輩……! 素敵です! かっこいいです!」


 そして、男らしく深々と頭を下げた。


「すみません、見逃してください。こいつもはしゃぎ過ぎていたんです。もう高校生なんですけど、頭の中は女児アニメで喜ぶ小学生なんです。残念な子なんです」


「おい、そんな風に思ってたのかよ。ていうか、それなら先輩も大して変わらないでしょーがっ!」


 星乃が俺の背中を強めにバシバシと叩く、ありがとうございます。


「見逃せねーなぁ。つーか、なんでお前みたいなヒョロがり陰キャ野郎とこのキラキラした可愛い子ちゃんが一緒に歩いているんだよ!」


「それは俺も分からないです……本当に……なんで?」

「覚えてないんですか? 先輩がどうしても私と一緒に遊びたいって土下座しながら懇願したんですよ?」

「信じちゃうからやめて、俺なら本当にやりかねないから」


 チンピラたちは近くに置いてあったゴミ箱を蹴って威嚇した。


「そんなこたぁ、どうでもいい! いいから大人しくその子を置いてってもらおうか! 責任は取らせねぇとなぁ!」

「おっと、待った! その前に陰キャ野郎は有り金を全部置いて行きな! 迷惑料だ」

「か、カツアゲしてますよ!? なんて酷い人たちなんでしょう……」


 星乃は小声で強がっているが、俺の後ろで震えていた。

 あと、カツアゲはお前もしてたからな?

新作の

『無能だと追放された無自覚才女ですが、訳あり王子に溺愛されて困っています』

ですが、おかげさまで結構評判が良いです!


 本作は男性読者さんが多いのは分かっていますが、楽しめると思いますのでもしよろしければ読んでみていただけますと嬉しいです!

 それと、コミックは本当に良いモノですので買っていただけますと幸いです……!

 紙の本だとカバーを外せば素晴らしいモノが見れますのでオススメです!

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