表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
93/111

第84話 星乃の素顔


「あ~あ、先輩の歌聞いていたらまた歌いたくなってきました! 最後に一曲だけ! 時間はまだありますよね!」


 星乃はそう言って、またデンモクで曲を入れる。

 すると、ひと昔前に日曜の朝に聞こえてきていたアニメの陽気なテーマソングが流れてきた。


「先輩、知ってますか? 『プニキュア』シリーズ!」

「し、知ってるが、お前が歌うのは意外すぎるな……」


「私、好きなんですよプニキュア! 普段は普通の中学生なのに、本当の姿は光の戦士として世の中の人たちを笑顔にしてる……すっっごくカッコ良くないですか!? いつもは正体を隠して学校に通ってるんですよ!」


 何となく境遇が似ていて、俺は心の中でギクリと冷や汗を流す。


「よ、陽キャの星乃がそんなに言うなんて……もしかして俺が知らないだけで、陽キャ内で流行ってるのか?」

「まさか、高校生の女の子で見てる人なんてほとんどいませんよ。これは私が好きなだけです! 先輩にも布教したかったので!」

「なるほどな。だが、残念ながら履修済みだ。最新のまでは見てないが」


 俺が得意げに眼鏡をクイッと上げると星乃は瞳を輝かせる。


「流石先輩! 女児向けアニメを見てるなんてオタクですね! そう言えば、一度ペルソニアがオープニングを歌ってたことも──あっ、もう歌が始まりますね!」


 そうして、星乃は今までで一番楽しそうに歌う。

 俺も大好きな曲だったので手拍子をしておおいに盛り上がった。


「──昔はみんな見てたんですよ? プニキュア。でも、学年が上がるごとにどんどんその友達は少なくなっていったんです」


 歌い終わると、星乃はマイクを元の場所に戻しながら独白するように語り出した。


「中学に上がった頃にはもう誰もプニキュアのことなんて忘れているみたいでした。それよりも恋愛や、勉強、アイドルや音楽アーティストの話ばっかり。私がプニキュアの話をし始めたら変な目で見られちゃって……あはは」


 星乃はため息を吐きながら自分のカバンを手に取る。


「だからつい、私もその時周りに合わせて誤魔化すためにプニキュアに思ってもないことを言ってしまったんです。その瞬間から、私の生き方は決まったような気がしました。勉強に恋愛、自分が変に思われないように、周りに認められるように頑張ろうって」


 俺も話を聞きながら自分のカバンを手に取った。


「でも、先輩のオタクっぽい歌を聴いたら思い出しました。私はプニキュアが大好きですし、周りにとってそれがどうだろうが別に気にする必要ないんですよね!」


 帰り支度を終えると、星乃は扉に手をかける。


「だからまぁ、これからは一人でこっそりと楽しむことにします! やっぱり心の栄養が必要ですからね! 人に合わせてばかりだと疲れてしまいます!」


 まるで胸のつかえが取れたような星乃の表情を見て、俺は安心してため息を吐いた。


「オタ活はいいぞ。俺だってプニキュアは(仕事の為に)見てたしな。結構好きだ。少しなら話し相手になれるかもしれん」


 俺はついあかねにやるように星乃の頭を撫でそうになり、出してしまった手で自分の頭をかいて誤魔化した。

 あぶねぇ……殺されるところだったな。


「そういえば星乃はどの回が好きとかあるのか? 帰ったら俺も見てみようかな」

「やっぱり水着回ですね! 特に『シャイニープニキュア!』の第47話なんて、みんなえっちで最高でした!」

「えぇ……」


 鼻息を荒くする星乃に、「こいつ、ただのロリコンなのでは?」と思いつつ2人で店を出た。


 星乃には椎名を絶対に会わせてはいけない。

 新作の短編を投稿いたしました!

『無能だと追放された無自覚才女は、訳あり王子に溺愛される』

 というタイトルになります!

 下にスクロールした『タイトル』をクリックで読みに行けますので、ぜひブックマークと☆評価をお願いいたします!

 この作品に評価を入れていただければ、ランキングから本作を読みに来てくださる人もきてくださると思いますので、モチベーションになります!


 何卒、ご協力よろしくお願いたします!<(_ _)>ペコッ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓のタイトルをクリックすると他作品のページに飛べます↓
連載版始めました!
下のタイトルを押すと読みにいけます!
『【連載開始!】ライブ直前に怪我をしたアイドルの代わりにステージに立ったら、マネージャーの俺の方が大人気になってしまった件』
作品のブックマーク・☆評価お願いします!
<(_ _)>ペコッ
連載中ラブコメ!
下のタイトルを押すと読みにいけます!
『山本君の青春リベンジ~学校でイジメられてた俺が努力して生まれ変わり、戻ってきてからクラスメート達の様子がおかしい件~』
作品のブックマーク・☆評価お願いします!

    
新刊!
『【漫画】クラスで陰キャの俺が実は大人気バンドのボーカルな件』
  ▼▼▼ 画像をクリックすると、書籍情報へとアクセスできます ▼▼▼  
表紙絵
  ▲▲▲ 画像をクリックすると、書籍情報へとアクセスできます ▲▲▲  
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ