表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/111

第2話 学校でも大人気の"ペルソニア"

 

「ねぇ、聞いた!? シオンの住んでる場所って関東らしいよ!?」

「マジ!? もう、しらみ潰しに家を訪問していくしかないじゃん!?」

「マジマジ! マネージャーの鈴木さんがテレビでぽろっと言っちゃったんだよね!」


 教室の扉を開くと、クラスの女子達がとんでもない話をしている。

 しらみ潰しって……そこまでして家を知りたいのか。

 絶対に俺の正体はバレてはならない……俺は改めて身を引き締める。


「ちょっと……なんか鬼太郎メガネがこっち見てんだけど」

「はぁ、マジでキモいわ……」


 思わず足を止めて彼女達の方を見つめてしまっていたみたいだ。

 俺に聞こえる小声で罵倒されている。

 ちなみに『鬼太郎メガネ』はクラスでの俺のあだ名である。

 顔が見えないくらいの長髪にビン底メガネをかけているからという分かりやすいセンスだ。

 さすがに妖怪扱い……はされていないと信じたい。


「ちょっと、あんた達! 話してないで、こっちの作業手伝ってよ!」

「次のライブの応援うちわとハッピ、人数分作らなくちゃならないんだから!」


 教室の床ではこれまた女子達がペルソニアのライブに向けての準備をしていた。

『シオンLOVE!!』『素顔を見せて!!』『大好き!!』などの文字とハートが散りばめられたグッズが並べられている。

 ――俺の机と椅子の上にも。

 単純に床に置きたくないので俺の場所が使われているのだろう。

 助けを求めるような視線を軽く周囲に向けてみるが、当然誰も俺に気がついていない。

 目立たないようにするためとはいえ、クラスに友達を1人も作らなかったのはこういう時に辛い。

 というか、作れなかっただけなんですけどね。


「…………」


 ホームルームの時間になれば流石に彼女達も片付けざるを得ないだろう。

 俺は居たたまれない時間を消費するためにトイレに向かった。

 わざとゆっくりと、ちょうどよい時間に帰ってこれるよう廊下を歩く。


 道すがら、他のクラスに目をやると同じような光景が広がっていた。

 男子はペルソニアの新曲やMV、コピーバンドをしようなんて話。

 おとなしそうに席に座っている女子もよく見たらファンレターを綴っている。

 内容は……『シオンシオンシオンシオン~~』……何これ怖い。


(……とりあえず、俺の住んでる地方をバラした鈴木は楽屋で叱ろう。いや、もういっそ無理やりライブで歌わせてみるか)


 いつもながらの異様な光景に若干慣れつつ、俺はマネージャーへの制裁を決意した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓のタイトルをクリックすると他作品のページに飛べます↓
連載版始めました!
下のタイトルを押すと読みにいけます!
『【連載開始!】ライブ直前に怪我をしたアイドルの代わりにステージに立ったら、マネージャーの俺の方が大人気になってしまった件』
作品のブックマーク・☆評価お願いします!
<(_ _)>ペコッ
連載中ラブコメ!
下のタイトルを押すと読みにいけます!
『山本君の青春リベンジ~学校でイジメられてた俺が努力して生まれ変わり、戻ってきてからクラスメート達の様子がおかしい件~』
作品のブックマーク・☆評価お願いします!

    
新刊!
『【漫画】クラスで陰キャの俺が実は大人気バンドのボーカルな件』
  ▼▼▼ 画像をクリックすると、書籍情報へとアクセスできます ▼▼▼  
表紙絵
  ▲▲▲ 画像をクリックすると、書籍情報へとアクセスできます ▲▲▲  
― 新着の感想 ―
[良い点] 1000字の感想、欲しいんですよね?見たきゃ見せてやるよオラァ!!(震え声) マネージャーがテレビでぽろっと言っちゃうってえぇ……( 。∀ ゜)コンプライアンスの重要性!コンプライアンス…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ