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第95話 女番長は策を練る


「はぁ~」


 お昼休み──。

 かりそめの女番長、日陰琳加(ひかげりんか)は取り巻きの女の子たちに囲まれながら学校の屋上で大きなため息を吐いた。


「琳加さん、どうしたんですか~?」


 持参しているお弁当ををもぐもぐと咀嚼しながら、そのうちの一人が尋ねる。

 琳加はもう一度長~いため息を吐いた。


「いや、この前の中間テストの結果が悪くてな。そのせいで最近の放課後はずっと補習だったのを思い出して頭が痛いんだ……」


「そういえば琳加さん、ほぼ赤点だったんでしたね……」

「お勉強、苦手なんですか?」

「あぁ、このままだとテストの度に毎回補習を受けることになって……リツ──友達と一緒にいられるチャンスも減りそうでな」


 思わず、リツキと言いそうになって琳加は慌てて『友達』と言い換えた。


 本当は朝宮たちの練習の様子を見に行くリツキたちに琳加も付いて行きたいと思っていた……。

 しかしライブ以来、そういった会う口実が無いせいで連絡を取るのに二の足を踏んでいる状態だった。


 そんな風に寂しく感じていると、琳加の顔を見て取り巻きの女の子たちは何かを感じ取ったかのようにハッとしたような表情をした。

 そして、なにやらニヤニヤとしながら語りだす。


「琳加さん、いいんですよ~? 無理に『友達』だなんて言い換えなくても!」

「確かに一緒にいられないのは辛いですよね~!」

「琳加さんも私たちに気を使わずに藤み──そのお友達と一緒に過ごしてくださいよ!」


 取り巻きの女の子たちはそんなことを言いながら微笑ましそうな笑顔で琳加を見る。


(この子たちにリツキのことなんて話した事はないけれど……やっぱり意中の相手がいるというのは私の様子でバレちゃうのかな……)


 琳加が内心、恥ずかしがっていると一人が手を叩いた。


「そうだ! だったらいっそのこと藤み──その相手に勉強を教えてもらえばいいじゃないですか!」


 そう言われて、琳加もハッとした。


「た、確かにリツ──そいつは凄く頭がいいしな!」

「えぇ、そうでしょう! 具体的に言うと、学年でも1、2を争うくらい頭が良さそうな気がします!」

「よ、よく分かったな!?」

「えぇ、分かりますとも!」

「一緒になれる良い口実……!」


 琳加が納得すると、取り巻きの女の子たちが興奮して口々にたたみかけてきた。


「琳加さん! 今すぐ言いましょう! そして、今日の放課後には一緒に勉強するんです!」

「というか、もう家に呼んじゃいましょう! 琳加さんのおウチでお勉強しちゃうんです! 教科書には載っていない、あんなことやこんなことまで!」


「い、家!? それに、あんなことやこんなことって……何を勉強するんだぁ!?」


 彼女たちの口車に乗せられて、琳加は期待で顔を赤くする。


「琳加さん! こういう時は勢いです! さぁさぁ、早く!」

「そ、そうだな! 女は度胸だ! よし、RINEでお願いして……」

「なに言ってるんですか! 会いに行って直接お願いするんですよ! もちろん、二人きりで! ですよっ!」

「た、確かにその方がいいよな! 教えて貰うわけだし……色々とな! よし、じゃあまずは校舎裏に呼び出して……そこで言うよ!」

「私たちも陰から見守りますね!」

「い、いやっ! お前たちは付いてこなくていい! 私一人で十分だ!」


 取り巻きの女の子たちは残念そうに「え~!」と声を出した。


 流石に好きな相手を知られるのは恥ずかしすぎる。

 それに、リツキが実は超絶イケメンだということがバレたらライバルが増えてしまう。

 琳加がそう考えていると、取り巻きの女の子のたちの中でも、リーダーのような存在の綿月わたつきが琳加に助け船を出した。


「そうよ、そこまでするのは流石に野暮だわ。琳加様、行ってください。よい知らせをお待ちしておりますね!」

「あぁ、ありがとう綿月! RINEも送ったし……じゃ、じゃあ、行ってくる!」


 感謝しつつ、琳加はリツキと待ち合わせをしている校舎裏へと向かう。


「藤宮さん……昨日下駄箱に入れてたラブレターで告白成功したんですね!」

「私たちもでしゃばりすぎないように琳加様の恋を応援していきましょう!」


 背後で、何やら盛り上がっているような取り巻きの女の子たちの声援を背中に受けながら……。

お待たせしました! 第5章開幕です!

「投稿頑張れ!」と思っていただけましたら、ブックマーク&↓から★★★★★評価をお願いします!(すでにしてくださっている方、本当にありがとうございます!)


『英霊使いの劣等生』、『山本君の青春リベンジ』も面白いので、ぜひ読みに行っていただけますと嬉しいです!(ブックマークと評価も忘れずにお願いいたします…!)

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ラブレターを無視されたであろう藤なんとかクン、どんまいw
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