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足して2つの高校生活  作者: 赤槻春来
4月─2.高2の春
31/51

新クラス




 母さんから衝撃(?)の事実を告げられた翌日。俺達は高1の時のクラスに集まると、渡部から新しいクラスの書かれた紙を受け取っていた。

にのまえよ…貴様のクラスはなんだ…!」

「おはよう吉田。朝から元気がいいな」

「ちょ、はじめ!割と恥ずかしいからスルーしないで!?」

「悪い悪い」

 クラス表を受け取った吉田は俺の席までくると、いつもの調子でそう言った。

 昨日は色々とあったが、こんないつも通りの吉田を見てると考えてた俺がどこかバカバカしく思えてくる。まぁそんなふうにさせてくれるのは吉田のいいところなんだが。

「てか吉田、お前文系選んだだろ?どうあがいても同じクラスにはならないと思うんだが…」

「あ…」

「そもそもわざわざ直接聞かなくてもクラス表に誰がどのクラスか書いてあるじゃないか…」

「わ、我ということが…失念していた」

 恥ずかしさのせいなのかガタガタと震えながらそう言う吉田。ま、中二病モードができるなら問題ないだろ。

 俺がそんなことを考えていると、どうやら新しいクラスに移動する時間らしく、渡部が指示を始めていた。



ーーー



にのまえ、また同じクラスだね」

「いや、どうせお前のことだし知ってただろ…」

「ははは、さすが俺のにのまえ。さっきは話しかけるタイミングが掴めなくて…」

「前の席だっただろお前…」

 新しいクラスになるなり去年同様に前の席に座っている仲村は俺にそう話しかけてきた。

 仲村は春休みに何があったのか、今まで坊主だった頭がスキンヘッドになっていた。心なしか前よりも光を反射してキラキラと光っているようにも見える。

「今年もよろしくな、仲村」

「…!ああ!よろしくにのまえ!」

 そう言って仲村が身体を前に戻すと、移動が終わったという放送とともに渡部が教室に入ってきた。

「よし…これから一年、2年3組(このクラス)の担任をすることになった渡部篤だ。去年担任だった奴らも今年初めてって奴もこれからよろしくな!」

 渡部はそう言うと、黒板に大きく『渡部篤』と書き込んだ。

 てか渡部、俺達の隣の席が空いていることにはスルーなのか…いや、休んでるだけなのか?

 俺達の新しいクラス─2年3組は、霞、春、仲村が属する理系クラスだ。他の人達は関わりないから知らないが、吉田以外の俺に関わる人は同じクラスになったと言える。まぁ吉田の場合は文系選択で4組(隣のクラス)なんだが。

 渡部が一通り自己紹介(?)のようなものを終えて一息ついていると、不意にコンコンと扉が叩かれた。

「お、ようやく来たか。入っていいぞ」

「失礼します」

「し、失礼します…」

 そんな声と共に2人、吉田とはまた違ったイケメンと由良や霞に負けずとも劣らない超絶美少女が教室に入ってきた。

 クラスの全員…仲村や霞、春以外はみんな男女問わずその2人に目が釘付けになっていた。

「突然だが転入生を紹介するぞ。ほら、2人とも自己紹介をしてくれ」

 渡部がそう言うと、2人は何やらコソコソ話し合ったのち、男の方が前に出た。

「えー…みなさんはじめまして。堀江ほりえ爽汰そうたです。よろしくお願いします」

 堀江と名乗った彼はそう言ってお辞儀をすると、一歩下がって女の後ろに回った。

 …これがイケメンの放つオーラというべきか、クラスの女子は目が離せなくなっているようだ。まぁ霞と春だけはどうでも良さそうにしているが。

 吉田も十分イケメンだが…なんとなく哀れに思えてきた…

「えっと…堀江姫愛(ひな)です。爽汰の双子の妹です。よろしくお願いします」

 俺がそんなことを考えていると、女の方が自己紹介をしていた。

 霞と春の俺を見る視線が一瞬殺気づいた気がするが…まぁ気のせいだろ。

「じゃ、2人はあの空いてる仲村とにのまえの隣に座ってくれ。あ、出席番号順な」

 渡部に促され、俺達の隣に座った2人。堀江兄妹の反対隣の席の人達は何やら幸せそうな表情で気絶していたが。

「えっと…にのまえさんでいいですか?」

「えっ…あ、うん。そうだけど」

「よろしくお願いします」

「…こちらこそよろしく」

 俺の隣にきた堀江妹はそう言うと、嬉しそうに微笑みながら姿勢を戻した。

 わざわざ隣の席の人に挨拶するとは…礼儀正しい人だなぁ…うん。霞の時はファーストコンタクトで衝突してたしな。


 渡部の話が終わり、休み時間に入ると、案の定というか…堀江兄妹はクラスのみんなにもみくちゃにされていた。まぁこれも転校生イベントの醍醐味だろ。うん。

 俺がそんなことを考えていると、いつのまにか俺の背後にいた霞と春に両腕をガシっと掴まれた。

「えっ?」

「ちょっとはじめ。こっち来て」

「いっちゃん…デレデレしすぎ…」

「あ、おい…って力強っ!?ちょっ…2人共引っ張んないで!?」

 2人に連行されるように廊下に出た俺。その途中、堀江妹がこっちを見ていた気がするが…まぁ気のせいだろ。自意識過剰にもほどかある。

 俺は何故か霞と春に左右から壁ドンをされるような体制になっていた。

 …壁ドンってやられる側になると結構怖いんだな。初めて知ったわ…

「いっちゃん、あの女とどんな関係なの?」

「ど、どんな関係も何も…今日が初対面なんだが…」

「ふぅん…」

「な、なんだ?霞も春も…」

「いやぁ?浮気性のはじめにはちょっとお仕置きをと思って」

「う、浮気!?いや、そもそも俺、誰とも付き合ってないし、そんなことした覚えはないんだが…」

 一体何がどうなってるんだ…?

 霞と春は昨日のアレの後母さんに呼び出されたけど…それ以降いつもと違ってどこかよそよそしかったのに。

堀江姫愛(あの女)…絶対潰す」

 ボソッと呟いた霞の言葉は俺には聞き取れなかったが、それでも尚溢れ出る殺気に俺は背筋が凍るような感覚を覚えた。


 2人の判決(という名目で週末買い物に行く約束をさせられた)が終わり、解放された俺が教室に戻ると、仲村と意気投合している堀江兄と質問攻めにあったのかグッタリしている堀江妹が俺の視界に入ってきた。

「お前…大丈夫か?」

「あ、えぇ…大丈夫です」

「ならいいんだけど…」

 明らかに大丈夫そうではないが…まぁこれ以上何か言ってもウザがられるだけだろう。早乙女先輩曰くこういう時は大人しく手を引くものらしいし。

 …そういやこの場合の『手を引く』ってどっちの意味なんだ?



 こうして俺達の破茶滅茶な2年生生活が始まりを告げるのだった。

 一途な愛を永遠に。


 みなさんこんにちは赤槻あかつき春来はるきです。


 いよいよ2年生編に突入‼︎

 この作品も残り半分を切りました。これからも見てくれたら幸いです。


 と、いうことで前半ははじめが自分の真実と向き合う回でした。呪われた五十嵐の血筋…かっこよくね?(未だに抜けない中二病)

 はじめちゃんが天然ジゴロなのは父親譲りなのだ。


 後半は進級編…というかただのクラス替え。

 新キャラ堀江兄妹はこれからどんなふうにはじめ達にが関わっていくのか…(堀江兄からは仲村と同じにおいがするけど)


 さてさて次回は5月編‼︎こんな世の中だけど出来るだけ楽しいものを書けるように頑張ります‼︎


 感想や意見、アドバイスなどありましたら感想欄やツイッターのほうに書き込んでくれると幸いです。

 またのんびりと更新していく予定なので気長に待っていただければ幸いです。

 それでは皆さん、またどこかであいましょう。

 バイバイ!

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