新しい学年へ
3月上旬。
土曜日にしては珍しく学校が休みだったので、部屋の衣替えも兼ねて俺達は大掃除を行っていた。
「義兄さん、こっちは終わりましたよ」
「オッケー。じゃあ窓拭きお願いしていい?なんか明が苦戦してるみたいだし」
「わかりました!」
リビングの掃除を終えた椿ちゃんは元気にそう言うと寝室の窓拭きをしている明のほうへと足を運んだ。
俺はそれを見送ると、ふと俺の机の上に置いてある…いや、起きっぱなしになっていた2つの封筒が目に入った。
「…そういえばこれ、中身確認してなかったわ」
1つは由良が、もう片方は母さんがくれた封筒。どっちも俺にとって何か重要なことが入ってるらしい。…母さんはともかくなんで由良も知ってるのかは謎だけど。
俺は一通り掃除が終わったのを確認すると、まずは母さんから貰った封筒を開封した。
「これは…」
中に入っていたのは3枚の写真。
1枚目は左右の目の色が違う赤ちゃんの写真。
2枚目は母さんと親父、それともう1人白い髪の女性が写った写真。
3枚目は母さんと白い髪の女性、それとどこかの高校の制服を着た夢に出たあの女性によく似た少女が俺と思われる赤ちゃんを抱き抱えてる写真。
「義兄さん?どうしたんです?」
俺がしばらくその場に立っていると、不意に椿ちゃんが心配そうな表情で声をかけてきた。
「いや、なんでもない」
「そう、ですか…もし何かあったら私も頼ってくださいね!」
「ん…ありがと椿ちゃん」
我ながら良い妹を持ったと思う。うん。明の彼女が椿ちゃんでよかった…
俺は一旦写真を封筒に戻すと、まだ開けていない由良の封筒と一緒に机の中にしまった。理由は…そう、今の俺にはまだ早い。そんな気がした。




