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小さな画家の少女、登場
そんな日々の中--
2ヶ月程前から橋の上に、画家の姿を見るようになった。
簡易イーゼルに隠れてしまいそうな小さな画家---
最初、ジャンはぎょっとした。何故なら、イーゼルの上にベレー帽が浮いてるように見えたのだから。
「ひぃっ…!?」
画家-- その女の子はサーシャといった。髪は銀色がかった金色で、腰のあたりまで豊かに波打っている。
緑色のベレー帽をかぶっていて、いかにも!な雰囲気だった
(ベレー帽はいらないな)ジャンは思った。
(可愛いけど、子どもかあ…?学生かな?)
「お嬢ちゃん、上手だね~」
昼休憩の時、ジャンは何とはなしに声をかけた。
キャンバスには橋から見える教会が描かれている。
「お嬢…!?ちょっとあなた!」
凄い剣幕である。
「私はサーシャ。こう見えても23歳よ!」