表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/14

マフラー

「何をお願いしたの?」


帰り道、サーシャが聞いてきた。


「んー?別に」


「でもほら、こういう時はO.ヘンリーの賢者の贈り物みたいにお互いのことを…」


「ごめん」


「…?」


途中で遮られた。


「ごめん、わたし、自分のことを…絵の事をお願いした」


「あなたの気持ちは嬉しく思う…正直、あなたには助けられたし、好き、よ」


「……」


「でも、わたしは--今制作している絵が描き上がりますように」


「それだけを強くお願いしたわ」


「ごめん…ね…」



「わたしが画家を目指すきっかけがこの教会だった。」


「だから今、この教会を描きたいの」




秋も近く、随分涼しくなってきた。朝夕は寒いくらいだ。


彼女は--


サーシャはまだ描き続けていた。橋の上で。


中央のコンテストも近い--


が、完成、という出口はまだ見えていないようだった




「ほら、これ」


「ふぇ…?」


「朝夕はもう冷えるんだからな」


サーシャの首にマフラーを巻いてやる。


「こ、これ…?」


「頑張ってるお前に応援だ」


「…えへへ、ありがと…あったかい」


「ほら、鼻水でてるぞ…良い色だろ?」


「え?」


「お前に似合いそうな色探してみた。」


「………」


「それだと、お前が良く着てる緑のチェックの服にも映えるし、な」



マフラーの色?の話に一瞬サーシャの表情が強張ったように見えたが、


「服にあうだろ?」と言うのを聞き、


「う、うん!綺麗な赤色だね!」


といった。


頭の片隅でどこか違和感を覚えたが…


喜んでい

るみたいだし、何よりサーシャの笑っている顔をみて、そんな違和感は吹き飛んだ



強いていえば


綺麗な赤…


というよりは深い赤、といった方が正確な気がするが…


ま、芸術家の感性、か?





それから二日後、唐突に知ることになった。



彼女の絵が、完成しない理由を



サーシャが必死にたたかっていたことを




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ