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プロローグ 死んだ

初投稿です!読んで少しでも楽しんで頂ければ幸いです。

ネトゲの自キャラになりたい。

男の夢といえば、かわいい女の子になってちやほやされることである。

いや他にもあるだろうが、やはり美少女になってかわいい服着たりしてオナニーしてたら、レイプされて悔しいのに感じてしまうことだと思う。

100人中100人とは言わないが結構な割合で、悔しいのに感じさせられて女の快感に溺れさせられたいはずだ。

間違いない、そうじゃない奴はキチガイだ。

男なら男らしく美少女になる夢を心に持ち続けよう、それが自然の摂理だ。


そんな女体化願望を抱えてるような、世間で半分ホモ扱いされかねない奴じゃなくても、ネトゲの自キャラというのは基本女だと思う。

だって男のケツ見ながら移動したいか?昔ながらのMMOなんて移動が大半だぞ?本当にそれでいいのか?ということで死んだら自キャラになりたい。

中学から不登校で気付いたら19歳中卒のお察しな人生だが、ネトゲの自キャラになりたいというのと、女性声優と結婚したいという夢だけは人並み以上だ。

そのためなら死んでもいい、いや死んで転生したい、死んだら声優の永瀬みのりちゃんを養えないな・・・辛すぎる、死のう。


そう思ってたら本当に死んでしまった。

床ドンで召喚できる飯炊きババア(母)以外、誰も入ってこない部屋なのに、唐突に後頭部がハンマーで殴られたような強烈な痛みに襲われた。

その後吐いたと思ったら、意識がなくなって気づけば死んでいた。


「10代で・・・クモ膜下出血とはな。」


「あ・・・なっ・・・っ・・・っ!」


貴方は?と言おうとしたが、マトモに声が出なかった。セリフだけ引っ張ると萌えキャラのようだが、もう5年近く親以外の人間と喋ってないのだ。

いきなり人間と普通に話せという方がおかしい。ていうか5年くらいそんな感じのまま死んだという事実に、泣きたくなる。風俗くらい行けばよかった。

いやでも風俗行っても絶対女の子とロクにしゃべれないな。てかむしろ相手の女の子が怖いし受付の人も怖いし、性病だのぼったくりだのもだし、外に出るのも面倒くさいし無理か。


「案ずるな、貴様の思考は読める。喋らなくてもよい。私は閻魔だ。」


尊大な態度で話す女に対して自分はコクコク首を振ることしかできない。思考盗聴とか統失の妄想がリアルにでもなったのか。凄い。


「喜ぶがいい。私はちょうど気分がいい、来世はお前の好きな通りにしてやろう。」


気分でいいのかよ適当だな・・・ちゃんとこの親不孝のクズを裁けよ・・・


「まあ大体人生は環境で決まるからな、基本的に現世で悪人ってのもそういう星の下に生まれたというだけだ。」


そういうもんなのか。


「ああそういうもんなのさ。」


どことなく馴れ馴れしい閻魔だが、なんだか慰めてくれているように聞こえた。


「で、なんか要望はあるか。」


いざ言われると死ぬ前に妄想してたので本当にいいのか悩むな。

金持ちとかイケメンとかものすごいコネ持ちとかそっちのが現実的にいい気がしてくる。


「ほう、死ぬ前はどんなことを考えていたのだ?」


ネトゲの自キャラになるとかかな・・・


「ネトゲ・・・ああ貴様が引きこもってやっていたこれか。ふふなるほどかわいいじゃないか」


小馬鹿にするように言われたが、実際まあ馬鹿にされるようなものだよなあとは自分でも思う。

システム上の最低身長に対して胸のサイズだけは最大に近い大きさ、髪型は地面にも届きそうなピンクのツインテールで、やたらとデカい目は赤と青のオッドアイになっている。

全身合わせてピンクのゴスロリのようなよくわからない服に身を包んでいて、1つ1つがゲーム内通貨で10億を超える、現実では100均で売ってそうなアクセサリーをいくつもこれ見よがしに身につけたキャラだ。

でもかわいいよちゅっちゅ。はあ可愛すぎぃ。


ちなみに職業はウィザードを使うことが多いが、もちろん全職カンストしている。

サブキャラも2つほどは全職カンストしているが正直あんまり愛着はない。


「面白いじゃないか・・・よしお前の好きな通りにしてやろう」


えそれって


「喜べそのネトゲのキャラクターとやらにしてやろう。頑張れよ。」


えちょっと待って普通にリア充したい。声優と結婚させて。それで資産運用だけで喰えるような感じの家に・・・


「もう遅いわ。」


意識が遠ざかり、視界が薄れていく。ああこれ転生するんだな・・・うわあ・・・。

性欲に任せた妄想みたいな変なことになる前に、直球で頼みごとしとくんだった・・・。


「まあ、なんだ。次はもうちょっと良い人生送れよ・・・菅沼直樹くん。」


最後に聴いたのはちょっと優しい声だった。

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