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伝説のスナイパー  作者: まこと
84/162

No.84

大輔、相当疲れてるみたいだけど、大丈夫か?

ああ、ジミーさん・・・ 助けて下さい。 こうまで引っ切りなしに来られたんじゃ、疲れて当然ですよ。

スナイパーと葛原の目配せによる、世にも奇妙な会話が始まった。

お願いします、一次会が終わるまで、席替わってもらえませんか? 俺も絹江ちゃんと話してみたいんです。

気の毒だが、それは無理な相談だな。 申し訳ないが、この女神をみすみす手放す訳にはいかないんだ。

そんな・・・

ここで、二人の世にも奇妙な会話を寸断させるに、十分な会話が聞こえてきた。

「うん、そうなのさ。 葛原君、あたいがキスしたら、なかなか離してくれないんだよ。 男ったら本当に困った生き物だよ、まったく」

隣にいる葛原にはお構いなく、琴江に自身の「成果」について脚色を加え、自慢していた。

悪いねぇ、これ以上ライバルを増やす訳にはいかないんだよ。

静江は葛原を独占する上で、自身が優位に立つ為に、親密度を向上させているかのように見せる、いかにも卑怯者が考えつきそうな姑息で浅はかな作戦に打って出たのだ。

このはた迷惑な作戦の中枢部に組み込まれた葛原は、空いた口がふさがらず、ただ唖然とした表情で静江を見る。

離してくれないのはどっちだよ!?

少女達の不器用な愛情表現に晒されたことによる疲労も手伝ってか、最早反論する気力すら残っていなかった。

まあいい。 この中の誰かと付き合うまでの辛抱だ。

だが今の状況を鑑みるに、大本命の絹江と付き合える確率は、ほぼゼロに等しいと言えよう。

「うん、それじゃ待ってるよ」やがて静江が電話を切った。

「どうしたの?」

「うん、琴江がこれから来るって」

えーっ、また増えるのか!?

「あの子かわいいから、葛原君が取れらやしないか心配でしょうがないよ」

葛原を抱き留めるや否や、さして大きくもない胸に顔を埋めさせる。

うっ、あ、肋がっ・・・

「ちょっと、何で静江だけ! 葛原さん、あたしのとこにも来ていいよっ」

道江も負けじと、未発達の胸に葛原を抱き留める。

も、もういい加減にしてくれ・・・

女性側がかわいいと評する同性者は、男性側からは必ずしも賛同を得られるものではない。 これもひとえに男女間での美的感覚の差であると言えよう。


「あ、来た来た! 琴江、こっちだよ」静江が手招きをする。

そこに現れた琴江を見た瞬間、男性陣は驚愕した。

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