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伝説のスナイパー  作者: まこと
74/162

No.74

くそっ! 何なんだ、このクソ女は!? 食べてるだけで、何しに合コンに来てるんだ?

食べるためだけに合コンに来たのだ。

スナイパーはキーマンである道江にコンタクトを試みるが、その都度辛辣な言葉で斬って返される。

なかなか手強いですね。 今度は俺が行ってみます。

気を付けろよ、奴は一筋縄じゃいかないからな!

このスナイパーと葛原の一連の会話は、全て目配せによるものである。 最早この二人には言葉など不要である。

「道江ちゃん、良かったら俺のも食べない? ビール飲んだから、こんなに食べれなくてさ」

葛原が自身の小皿に盛られた唐揚げを献上する。

「いいの? ありがとう! あたし、葛原さんみたいな優しい人大好き!」

「道江ちゃんみたいなかわいい娘に、そういってもらえると光栄だよ」

スナイパーは開いた口が塞がらなかった。 意中の相手はいないと豪語し、あまつさえ食事の邪魔をするなと糾弾された。

それがどうだろう、食べ物を分け与えただけで、自身のタイプであるかの様な発言を仄めかす。

だがこれで一つの法則を発見することが出来た。 道江は食べ物を与えられた相手に対しては、心を開く傾向がある。

これに気付くまでの犠牲が大き過ぎたが、今からでも遅くはない。

「道江ちゃん、俺のも食べる?」

撃沈しても尚、再度立ち向かう。

「葛原さんからもらったから、もういらない。 それと、あたし食べ物で釣られる程軽い女じゃないから!」

こ、この腐れ外道が! 何であのボケナスと、俺との対応がこうも違うんだよ! 俺がおかしいのか? それともあの女がおかしいのか?

両方おかしいのである。 異性と付き合ったことのない者同士、男女間の距離の置き方、タイミングの取り方がまだ理解出来ていないのだ。

「そんなこと言ったら駄目だよ。 ジミーさんは、道江ちゃんの喜ぶ顔が見たくて差し出したんだよ」

「何か見下されてる様で鼻に付くけど、葛原さんがそういうならもらってあげるわ」

見下してるのはどっちだよ。 この女、絶対ろくな死に方はしないだろうな。

ろくな死に方しないのは自身の方であるが、道江に対する怒りからその矛盾にすら気付いていない。

何はともあれ、合コンのキーマンである道江を手懐けることに成功した男性陣であったが、更なる問題が勃発した。

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