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伝説のスナイパー  作者: まこと
17/162

No.17

7月6日。 東京は朝から快晴で、梅雨の中休みといったところである。

東横インをチェックアウトしたスナイパーは、物件探しに追われていた。


一昨晩の「仕事」を失敗したスナイパーは、幸楽苑のラーメンを食べ窮地から復活を果たしたのだ。

「仕事」が失敗した旨を依頼人に伝えたところ、『二ヶ月後の9月14日に象山院の孫娘の誕生日会が息子夫婦の家であります。 護衛も付かず、象山院が単独で動くはずです。 チャンスがあるとしたら、その日だけです。 なんとか今一度やってはもらえないでしょうか?』と返答があった。

そう、今一度、今一度象山院を仕留めねば先へは進めない。 そして、俺をも欺いたあの能美という護衛者も・・・


二ヶ月以上も日本に滞在する訳だが、ホテルだとさすがに行動しづらい。

そこでスナイパーはアパートを探すことにしたのだ。 立地条件はホテルの時以上に慎重に選ばねばならない。

六部屋くらいの少コロニーで、短期間の入居が可能な物件・・・

マンスリーレオパレス。 ここだ!

早速不動産屋に行き、交渉してみたところ、翌日から入居可能とのこと。 渡りに船とはこのことである。


翌日、スナイパーは入居先のアパートの部屋を入念に調べていた。 盗聴器の類や、隣の部屋からの生活音がどれほど漏れてくるのか・・・ これに関しては諦めざるを得ないだろう。「漏れる」という範疇を超え、筒抜けとなっているのだ。

立地条件も申し分ない。 道路も狭く、入り組んだ地形が縦横に伸びている。

そして・・・最後はやはり心霊現象であろう。

日本に来て味わったあの恐怖は、そうそう忘れられるものではない。 今でも就寝時はテレビを点け、部屋を明るくしないと安心して眠れぬほどだ。

スナイパーらしからぬ体たらくぶりであるが、それほどまでに強烈な体験だったのだろう。

アメリカでも「瑕疵物件」は聞いたことはあったが、気にすらしてなかった。

幸い、この部屋は問題ないようである。


あとは住人の調査だけだ。

仲介業者の話では、スナイパーを含め、四部屋が埋まっているらしい。 彼等にコンタクトを試みるには「引っ越しそば」を持参して挨拶に行けばいいと教えられた。

「引っ越しそば」がどんな物か分からぬスナイパーは、スーパーマーケットに売っている3パック198円の生ラーメンを用意した。

幸楽苑の知識が功を奏したようだ。

よし、これで準備万端だ!

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