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伝説のスナイパー  作者: まこと
10/162

No.10

どれほどの時間が経っただろうか?

微かに目を開けてみる・・・ スナイパーの眼前に女の顔があった!

「うわぁぁぁ!」

思わずベッドから転げ落ちた。

ドンッ!

「ひっ!」

壁の向こうから『うるせーぞ! 今何時だと思ってるんだ!?』

怒りを覚え壁を蹴った。

「なんだとコラぁ! こっちはそれどころじゃねんだよ!」

うるさいのが自分だということに気付いてないのである。

と、その時スナイパーは異変に気付いた。 壁の向こうは部屋はなく、非常階段なはず。

じゃあ、俺は今何に怒鳴ったんだ!?

・・・昔、聞いたことがある。 〝死者の声に決して返事をしてはいけない〟と。 返事をすればあの世に連れて行かれるからだ。 思い出すタイミングが悪かったようだ。

ガチャガチャガチャガチャガチャ!

ドンッドンッドンッドンッ!

「うおっ!」

ドアからだ! あの女が入ってこようとしてる!

『開けろっ! 早くここを開けろっ!』

監禁しておいて、今度は開けろとは、さすがに虫が良すぎるだろう。

だが、悲しいことにスナイパーには対抗し得る手段がなかったのだ。

出来ることと言えば、部屋の隅に膝を抱え、うずくまっていることだけなのだ。

銃という物理的攻撃が効かないのは解っているが、武器に縋らねば精神が崩壊しかねない。 いくら伝説のスナイパーと言えども、心霊現象の前にはなす術もなかったのである。

ドンッドンッドンッドンッ!

『お願いっ! 開けてよっ! 早くここから出してよー!』

くそっ、この叫び声いつまで続くんだ!?

ん? 〝早くここから出してよ〟?

もしかして・・・あの女は外じゃなく、この中にいるのか!?

ガチャガチャガチャ! ドドドドドドンッ!

『早く開けろー! ここから出せー!』

ドドドドンッ!

く、来るな来るな来るな来るな来るなっ!

きつく目を閉じながら必死に祈っている!!

『ぎゃあああぁぁぁ! やめてーっ』

何が起こってるか分からんが、早くここから出てってくれ!


しばらくして、うずくまっているスナイパーの耳元に『ね、あんた鍵持ってるんでしょ? 何で開けてくれないのよ?』

声のする方を見ると、顔がザクロのようにぐちゃぐちゃに割れた女がいた。

「ぐぎゃぁぁーっ」

スナイパーは意識を失った・・・

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