エピローグ
これで本編完結です。
後日、番外編など書くかもしれません。
………読みたい人がいてくださったら。
親愛なるお母様へ
私が家を出てから、どれほどの月日が流れたでしょうか。
突然そちらの世界から離れることになり、家族の皆がどうしているのか気になりますが、元気に暮らしてくれていると信じています。
私も異世界で元気に暮らしています。
以前のお手紙でお願いしていた貯金のことですが、お母様のお好きにお使いください。
そちらに戻ることはありません。親しかった人達にもう会うことができないのは寂しいですが、こちらでも新たな関係を築くことができました。
一緒にトリップした着ぐるみは、今は私の家の応接室にいます。
良き相棒だったので、本当は寝室に置きたかったのですが、残念ながら反対されてしまいました。
こうも長い間一緒にいると、やっぱり愛着が湧いてしまいますね。
ここ最近は、いつも変わった友人達に囲まれて楽しいティータイムを満喫しています。
……着ぐるみと。
追伸 もうファブリーズはいりません。
お母様の新婚生活の話を聞きたい、今日この頃です。
ああ、書き忘れていましたが、今日は私の結婚式です。
あなたの娘、陽香 より
◇◇◇
「何を書いているんだ?」
もうっ、見ないでください。
「なんだ、マリッジブルーか」
「違います!!」
ウルサイ花婿ですね。
「つれない花嫁だな」
「心を読まないでください」
「ただの愛コンタクトだろ」
「……アイコンタクトの字が違う気がしますが」
「うかれてるんだ」
「部下の方々が気持ち悪そうにこっちを見てますよ、団長サマ」
「団長じゃないだろう。花嫁殿」
「―――あなたもね。……………ジークフリート」
「―――愛している、ハルカ」
ジークフリートの抱擁を受けながら、式の開始は遅れるんだろうなぁと溜め息をついた。
精一杯のイチャラブです…。
最後のシーンの没ネタ。ほんとはこれにしたかったんですが、仮にも恋愛カテゴリーなので自重しました。
「団長じゃないだろう。花嫁殿」
「―――あなたもね。……………ジークフリード」
「………ジークフリートだ」
間違えたのは作者です。
やめて、石投げないでください。