第5話
やや急展開につき、ご注意ください。
ひとりっきりだと気が緩んじゃうことってありますよね。
◇◇◇
神獣として崇められている私は、もちろん立派な自室を与えられている。
この自室だけが、私の唯一の憩いの場だ。
…常にぼっちだが。
たまに薄ら寒い笑みを浮かべて私を見つめている団長は、あれから特に何をするわけでもなく、日々私のフォローをしてくれている。
でも、部屋の外で待機しているのに、気配で私の行動を悟るのはやめてください。
正直言って怖いです。
ひょっとして、正体に気付いているんですか?
◇◇◇
『今日は別の任務があるため不在。部屋で大人しくしているように。
神官長や殿下も部屋には近づけさせないようにしておく』
団長は不在らしい。腐っても王立騎士団団長、なかなか忙しいようだ。
しかし、この手紙書き方が保護者っぽい…。私は初めてのお留守番をする幼児か。
団長が護衛を離れるのはちょっと不安だが、変態神官長やアホ王子の襲撃の心配がないなら大丈夫だろう。
久々に思いきり羽を伸ばそう。
まずは、ずいぶん長い付き合いとなっている相棒を部屋干しする。香水を使えば、年季の入ったこの匂いも少しはマシになるだろう。
◇◇◇
ちょっと最近お腹周りがヤバいので、部屋干ししている間に腹筋をすることにした。
…いくら着ぐるみ生活でも、至れり尽くせりで飽食の限りを尽くせばこうなる。
125回、126回、127回、私の地道な腹筋ダイエットは続く。
128回、129回、ひゃくさん…。
「キャー!!神獣様が!?
誰か!?誰かー!!?」
干していた着ぐるみを見た侍女が走り去っていった。
うん。風通しの良いように窓の近くで、縛り上げたのはマズかった。
首つり死体のようだ…。
◇◇◇
「無事かっ!?」
見たことがないほど余裕を無くし、焦っている団長。
「神獣様っ…、私を置いて行くのですか!?」
青ざめて、絶望したような神官長。
「え、ええ!?何??」
状況が分かってきないのか、オロオロしている王子。
「とうとう正体を現しましたね!!」
目を爛々と輝かせ、期待に満ち溢れた顔の宰相。
――――そして、慌てて着ぐるみを着ようとしていた私。
私は人生最大のピンチを迎えているようです。
初めて感想を頂きました。嬉しくて狂喜乱舞しています。
本当にありがとうございます!!




