幕間2「団長の囁き」
………。
ま、まだセーフですよねっ!?
そういえば、あの頃宰相がお前に偵察部隊を送り込んで来ていたぞ。
ああ、かなり怪しんでいたからな。
偽物である証拠を掴もうと必死だったんだろう。
ハッ、バカな奴だ。この俺にケンカを売るなんて。
もちろん、全力で叩きのめしてやったさ。
俺の“想い人”に手を出したんだ、当然だろう。
ん?そうだな。
前にも言ったが、あのハリボテの中に人がいるのにはすぐ気付いた。
だいたい、お前ときどき背中のチャックを閉め忘れていたぞ。
大丈夫だ。俺が閉めておいてやった。感謝しろよ?
いや、違う。女だと気付いたのはもっと前だ。
…あれは、お前が王宮で暮らし始めて1週間程経った頃か。
お前が寝ているのを確認してから、部屋に入ったんだ。
まあ、そう怒るな。ちょっとした好奇心だろ。
別に何もしていない。
本当だぞ。触ってもいないし、顔も見ていない。
お前は寝るとき、用心のためか、いつもシーツを被っていたからな。
………。
そんなことは気にするな。
いいだろ、別に。何回だって。1度見れば同じだ。
なぜ好きになったか?
俺の妻は可愛いことを聞いてくれるな。いいぞ、教えてやろう。
何、遠慮するな。
俺がお前をどれ程想っているのか、しっかり教えてやる。
心と身体、両方にな……。
◇◇◇
―――まったく、宰相のバカさ加減には呆れてものも言えないな。
団長に乗っ取られてしまいました。
くっそー!!好き放題しやがって(泣)




