変革 4
なんだこれは……!?
僕はとっさに短剣を手に取ったが、
1人で捌けるような数ではない。
次から次へとスケルトンが生み出され部屋を満たしていく。
だがそのスケルトンは僕を襲うでもなく
ただ部屋の中をうろうろしていた。
やがてその中の一匹が僕の方へふらりと近づく。
まずい!
僕は短剣でそのスケルトンを殴打しようとした。
すると今までうろうろしているだけのスケルトン達が
寄ってたかって僕が殴打しようとしたスケルトンを
殴り始めた。
粉々になったスケルトンを見て気付く――。
……反応しているんだ。
……僕の、意志に。
そう、それは間違いなく僕が呼び出したスケルトンだった。
理由は分からない。理由は分からないが僕には魔法が使えたのだ。
しかも、魔族が使う闇の魔法だ。
恐ろしいとは思わなかった。
むしろ喜びを感じた。
これからは、たくさんの人間や魔族に復讐できるのだから。
……喜んでくれるかい?
……母さん。
――・――
それから日々、魔道書に書かれてある呪文を研究した。
時には死ぬような思いもした。
なぜなら呪文は分かるが、その効果が分からなかったのだ。
試して、理解して、書き留める。
自分なりの魔道書を作り上げ、暗記した。
僕には必要だったのだ。
力、が。
果て無き復讐を果たすための力。
僕はそれを手に入れたのだ。
運命を感じた。
歓喜を得た。
闇の魔法が僕の血塗られた運命を加速させる。
これが、お前の道だ、と。