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⑨うっかり記憶を飛ばしたと?

リア:ヒグマ族の長の一人娘。純白のアルビノ。

アルノー:リアの婚約者。全身鎧。ふんわりとした雰囲気だが、真意を突いてくる発言も多い。鎧の中はすごいらしい。超強い。ヒグマたちも認める男。

アンデッド公爵:死にたがりで、毒にめちゃくちゃ精通している。妻のケネシーに出会ってから元気100倍。

妻のケネシー:公爵いわくとってもうっかりやさん。カレーには、う〜ん、何が入っていたんでしょうねぇ?

ダイハード:敏腕執事の爺や

 アルノーとリアは馬車に乗り、あるところへ向かっていた。


「アンデッド公爵家ですか?」


 アンデッド公爵といえば、あの大領地を治める実力者。

 最近、結婚したと聞いている。


「すでに了承はもらっているから大丈夫だよ」


(アルノーにそう言われると安心するわ)


 このほのぼのとした雰囲気は数時間後一変する。



     *    *    *



 アルノーとリアはアンデッド公爵家が見えてから二十分も馬車を走らせた。


 ようやく応接室へと通されると、アルノーはアンデッド家の執事に近づいた。


 執事の鑑のように綺麗な姿勢、乱れのない服に整えられた髪と髭。


「師匠、お久しぶりです」

「師匠!? この、この、この方が」


 リアの動揺が露わになった。

 張り詰めた空気はパンと弾けて柔らかくなる。


「アルノーさま、お久しぶりでございます。頭の鎧は取られたのですね」

「彼女⋯⋯婚約者のリアが顔をみたいというものですから」


(私はおじいちゃん執事に嫉妬していたというの!? 隙は無いけど⋯⋯無いけど!)


「力の制御がお上手になられましたな。リアさま、わたくしのことはダイハードとお呼びください」

「私はヒグマ族の長の娘・リアです。お初にお目にかかりますわ」


 リアは勝手に膨らませたダイハードへの勘違いを謝りたい気持ちを募らせながらも笑顔を貼り付ける。


 その後、アンデッド公爵とその妻・ケネシーとも挨拶。

 初めて会ったアンデッド公爵は百七十近い身長があるリアがさらに見上げるほど大きかった。


 隣のケネシーは小さくてとても可愛らしい。

 リアがケネシーに癒されていると、部屋の入り口に立つ青年に釘付けになった。


 勝手に身体が動く。


 何年も前に姿を消した──


「お兄ちゃん!」


 銀髪にリアと同じ純白の三角耳。

 リアは再開を喜ぶように顔を綻ばせた。


 だが、青年からはそのような反応がない。


「初めまして⋯⋯ではないようですね」


 指先が冷たくなる。

 リアの腹の底は冷たくずしりと重くなった。


「ごめんなさい、私のせいなの!」


 いきなり頭を下げるケネシー。

 その間に入るダイハード。


「セーゴ殿は昨日、奥様のカレーを食べて記憶喪失になられました」


 リアは頭が真っ白に⋯⋯いや、引き戻した。


「カレーで!?」

「妻のカレーはなんというか独創的で、サプライズ、わぁ〜びっくり、みたいなところがありまして」とふんわりした説明の公爵。


 何一つ分からない。

 リアは頭を抱える。


「ケネシー様は魔法使い⋯⋯!?」

「いえ、妻はちょっとうっかりやさんで」とまたもふんわり。


「うっかり⋯⋯記憶を飛ばしたと!?」

「まぁ、結果的にそうなりますな」と結論付けるダイハードこと爺や。


「わっ私、頑張ります〜!」


 今にも泣きそうなケネシーの姿にいじらしさを感じる。

 リアは前に見たユキウサギとケネシーの姿を重ねた。


(はわぁ、可愛すぎますわ!)


「分かりました、私も頑張ります!」


 リアとケネシーはキッチンへと向かったのだった。

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― 新着の感想 ―
爺やが師匠でしたか〜!w うっかり飛ばしてしまった記憶を果たして再び取り戻せるのか?? 頑張れリアとケネシー! そして…爺やもおりますぞ〜!!ここで爺やの出番ですぞ!w
ダイハード爺やがお師匠だったのですね。そしてリアとケネシーが二人でキッチンへ……。次回は一体何が起こるのでしょうか。
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