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3/7

③ウサギは裏切らない

 リアとアルノーが庭園まで戻ってくるとラグドが走ってきた。


 構える間もない。

 思考よりも先に腕に衝撃が来た。

 ラグドの固い手がリアの腕に食い込んだ。


「痛っ!」


「今日、長を含む大事な話し合いがある。俺たちの婚約をそこで話そう。

(というかこの鎧、誰?)」と大事な部分が声にならないラグド。

「離して⋯⋯誰がそんなもの……」


 リアは腕に力を入れるがラグドの手は振りほどけない。


 ゆっくりとラグドの腕を掴むアルノーに、顔を歪めてラグドは手を引っ込めた。

「⋯⋯(えっこの鎧、誰?)」とやっぱり声にならないラグド。


 アルノーを見つめながら、考える前に言葉が出る。


「私はそこにいるアルノーと婚約しますの。あなたとは婚約しないわ」

(私ったらなんてことを!)


 リアは両手で固く口を覆った。そして息を飲み込む。


 だが、出ていった言葉は戻らない。


(私は自分の欲望のままに彼を巻き込んでしまうなんて⋯⋯でもラグドと婚約するくらいなら一生顔の変わらない鎧でも⋯⋯鉄壁の前髪でも⋯⋯ウサギを好きな人に悪い人はいないわ!)


 前髪で隠れた彼の顔からは表情が読み取れない。


「婚約いいですね。リアさんは素敵だと思います」


 アルノーの口からは淀みなく言葉が流れ出た。

 リアはアルノーの背中を見つめながら、お世辞かもしれない“素敵”という言葉を反芻していた。

(やっぱり! ウサギは裏切らないわ!)


 ラグドを前にしても調子の変わらないアルノーにラグドは面白くなさそうな顔をする。そのまま、ラグドはアルノーに近づき胸を張って牽制する。

 

「それはそれは貧弱な人間様、どうぞヒグマ族の中心地・牙冠がかんの大広間までお越しください。

(そして俺にやられろ、泣きながら帰れ)」


 仰々しくお辞儀をすると、ラグドはそのまま歩いて行ってしまった。


(どうすることもできないわ。このまま付いて行くしか……)


 リアは不安な表情をアルノーに向けた。


「可愛い顔が台無しですよ。ご心配なく」


(かわ、可愛いですって!?)


 アルノーの可愛い発言に胸が躍るリアだった。

このお話の真面目な?異世界恋愛短編は『氷のシロクマ令嬢は微笑む』(https://ncode.syosetu.com/n2363ln/)になります(ㆁωㆁ)

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― 新着の感想 ―
ちょこちょこコメディ要素がはいっててニヤニヤしながら読んでましたw ウサギは裏切らない!wここできたかーw ラクドもなんだか可愛く思えてしまいますね、この鎧だれー?w
 ウサギを可愛がる人に悪い人はいませんよね、多分。(書庫裏めの故郷の老人たちにはウサギを食肉と毛皮としか思わない人が多いのですが……)。  ウサギはロップイヤーが好きです。
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