①ヒグマ族長の娘・リア
クマ祭り後夜祭に参加しています。
ヒグマ族のアルビノのリアちゃんです。
ここは人間族と獣人族の境にある国。
学園では、貴族と獣人貴族が同じ机に身を寄せ合うことになった。
ざわざわ、ざわ、ざわ⋯⋯
ざわざわざわ、ざわざわ、ざわ、ざわ⋯⋯
ジャンルがコメディなので誇張されるざわめき。
それもそのはずリアは目立つ。
太陽の光に煌めく白銀の長い髪。
陶器のような艶かやで美しい純白の肌。
ま、眩しい〜!
それだけではない。
それから頭にはわずかに尖った純白の耳を覗かせる。この萌え耳のファンクラブの存在をリアは知らない。
だが、獣人族最強と言われるヒグマ族の長の一人娘。
『ヒグマたるもの、見くびられてはならない』
その教えのせいか、リアの笑顔は誰も見たことがない。
心の中では常に臨戦態勢。
いつバトルが起きても大丈夫。
だが、一番離れたかった人が目の前にいる。
「リア、そろそろ婚約しよう」
褐色の肌に盛り上がった筋肉。ウェーブのかかった短い髪に整った顔立ちは漢らしく女学生からも人気がある。
ただしリア以外。
ラグドはヒグマ族の傍系の中でも稀な蜂蜜色の瞳。
本来直系にしか現れない金色の瞳にかなり近いのだ。
両親以外の親戚筋の皆はラグドが伴侶になると思っている。
「ふん、お断りよ」
(断ーる! その絡みつく視線も利己主義な叔父一家も大嫌いだもの)
大きく手でバツを作りながら臨戦態勢のリア。
それに納得のいかないラグド─でもちょっと傷ついているように見える。
「あんまり自分を追い詰めんなよ。最後には俺の元に来る」
強めた声には、確信と一緒に、微かな焦りが混じっていた。
(叔父さんそっくりの嫌な性格)
リアは叔父一家を思い出して寒気がした。
リアがラグドを頭の中で二十回ほど振っていた時、二人は出会った。
事故だった。物理的にぶつかり合ったのだ。
「……ッ!?」
一瞬意識が飛んだ。
固い金属の塊が横から当たってきた。
何も考えられず、宙に投げ出される。
(い、いたい⋯⋯ヒグマ族は保険に入れないのに⋯⋯)
なのに、なぜかその金属にすぐ介抱された。固い。
「す、すみません。大丈夫ですか?」
頭がしっかりしてくるとリアはその金属を観察する。
「痛た……全身鎧?」
「へへっ私服です」
声は照れているように感じる。
だが、顔は一ミリも動かない。
鎧顔⋯⋯いや、鎧か。
私服で鎧とは変わっているなと思っていたら、学年でも変人と有名な“鎧のアルノー”だった。
鎧のおかげで、一般生徒より二回り以上大きく見える。
だが、騎士科ではなく一般科で商業専攻をしている。
「あなたは……大丈夫そうね」
「はい、あのいきなりですみませんがお付き合い願えませんか?」
「えっ?」
リアは鎧を二度見した。
これから何が始まっちゃうのー!?
このお話の真面目な?異世界恋愛短編は『氷のシロクマ令嬢は微笑む』(https://ncode.syosetu.com/n2363ln/)になります(ㆁωㆁ)




