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三話 はじまりのはじまり

佐藤

「うわぁ!!」


目を覚ますと暗い部屋の天井


心臓の鼓動と頬を伝う涙


全身に汗


思い出すと泣き出しそうになるが我慢


(あの時の天井ではないので今はあの時ではない…あの家ではない…またあの時の夢か…)


息を整え再び瞳を閉じた


———


上空から城がみえる


———


煌びやかな装飾が施されている広い部屋


フォレアス・モノ王

「おお…そなたが選ばれし血筋の勇者アリスか…」


小柄で細身の体格、金色のポニーテール、二重で青い瞳、碧眼の少女アリスは不安げな表情で声まで震え

「は、はい…ア、アリスです…お初にお目にかかります…」


フォレアス・モノ王

「そなたは運命に選ばれし者、勇者なのだから、そんなに緊張するでない。それにもっと大きな声だし、勇者たる自覚を持ち国民全てに勇気を与え魔王を倒すのじゃ。それが宿命じゃ。それ以外道はないのじゃ。良いな?」


アリスは俯く

(いいえ。良くないです。やりたくないです。ああー嫌だよー。なんでわたしが勇者なんかやらなきゃいけないんだー…怖いよー…)


フォレアス・モノ王

「オイ。聞いておるのか?もう一度聞く。魔王討伐に行き姫とか囚われている者を助けるのじゃ!良いな?」


アリスは更に俯く

(なんかさっきと変わってない?超能力も魔法すら使えないこんな、わたし、なんかじゃ無理に決まってる…)


フォレアス・モノ王

「おーい!聞いてるかー?良いな?」


アリス

(断りたい…どうしたらいいんだろ…)


フォレアス・モノ王

「良いな?」


アリス

(断りたいのに断れない…逃げたいのに逃げれない…)


フォレアス・モノ王

「良いよな?」


アリス

「…。はい…」


フォレアス・モノ王

「うむ!よくぞ言った!さすが勇者じゃ!それでは早速大魔王討伐お姫様大救出の大冒険の始まりじゃ!では行ってこい!!」


アリス

(ん?それだけ?武器とか防具とか道具とかお金とかは?え?丸投げ?!)



———


アリスが下を向きながらトボトボと歩いている


金色の髪、長身の人物とすれ違う


アリスはため息をつき俯いたまま歩き続ける


王の居る間から大きな声で

「はい!光栄です!必ずや達成します!」

と聞こえてきた


アリスは立ち止まる


ため息をつき目を閉じた


———


目の前は真っ暗


———


暗闇


田中の声

「…プロタゴニスト」


———


森の中


開いた本を手に持っている田中の指差している先に目を閉じているアリスがいる


田中の前にアンジュ、アンジュの隣に鈴木、田中の隣に佐藤がいる


アリスはため息をつき目を開けた


アリスは微動だにしない


アリスは瞬き何回かした後

「えぇー?!ここどこ?!どこここ!?」

と驚愕の声をあげた


田中達の前方から二体の四足歩行の何かが突進してくる


アリスは後退り


アリスは泣きながらも笑顔で

「ク、クマ?!モ、モンスター?!えぇぇー!終わったー!」

と泣き言を言った


アンジュは真顔でその1体のモンスターに向かって走る


アンジュはモンスターに飛び乗り首元に生えている木の幹のような何かに手を置きそれを燃やした


モンスターは倒れた


木の幹のような何かはパチパチと音を立て燃え尽きた


泣き笑顔のアリスにもう1体のモンスターが迫る


泣きながらも笑顔のアリスは

「ああぁーいやだぁー」


激突する瞬間に泣き笑顔のアリスはギリギリ避け、モンスターの首元に生えている木の幹のような枝のような根のような何かを強引に引き抜き、雑に引きちぎりモンスターを倒す


アリスは汗かくことも息が上がってる様子もなく、涙流しながらも笑顔でそれを手に持って立ち尽くす


アリスは手に持っている木の幹のような枝のような根のような物に嫌悪感を出し

「うっ!なんだこれ?!」

と言いそれを投げ捨てた


投げ捨てた先にアンジュ


アンジュはそれに手を置き燃やした


パチパチと音を立て燃え尽きた煙を立てるように散り散りに消えた


アンジュは無表情でそれを見つめ煙が上っていく様子を目で追い上空をただ見つめていた



モンスターは立ち上がり逃げていった


アリスは涙流しながらも笑顔ながらホッとした

(あのモンスターあの様子なら大丈夫そうだ…あーお互い生きてて良かったぁ…)


アリスは涙流しながらも笑顔のまま手の平を見つめ涙流しながら恍惚の笑顔になり空を見上げた

「はは…」

(ああ…なんでいつも楽しくなっちゃうだろ…こんなん変だよね…こんな自分が怖いよ…やっぱこんなおかしい奴が勇者な訳ないよ…)

「ヒ…ヒヒ…」

(あー…さっきのもっとギリギリで避けれたなー…)


田中は棒突き飴をタバコのように扱っていた


佐藤は一部始終をメモに書き続けていた

「マリさんマリさん。このパターンの手順1.1できました!」


田中

「うむ…見してみ…」


佐藤

「まだ叩き台程度なんですが…確認お願いします」


田中は親指を立て

「…合格!」


鈴木

「それでは皆さん。ランチにしましょう」


———


続く


———

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