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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『悪夢の研究』と『今は無き国』  作者: 橋本 直
第十一章 魔都と呼ばれる地

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第67話 愉快痛快とか言う奴

「面白いものが見れたろ?ああ、久しぶりに暴れてすっきりしたわ」 


 そう言うとかなめは満面の笑みを浮かべながらタバコを取り出した。本部にはいつの間にか中から武装した兵士が出てきて入り口を固めていた。それを面白そうに眺めたかなめはそのままタバコに火をつけて歩き始めた。


「ディスクは端末に刺したままで出てきたが良いのか?連中の事だ。アレが本物なら証拠を抹消にかかるぞ。関係機関にも連絡がいく。すべては私達にとって悪く運ぶのではないか?」 


 カウラの言葉にかなめとランは目を合わせて笑顔を浮かべる。


「コピーは取ってあんよ。だからわらしべ長者なんだって。あのデータはあそこの検問の外ではそれなりの意味を持つが、あそこをくぐって租界の中に入ってしまえば、麦わら一本以下の価値しかない。証拠性が消滅するんだよ、アイツ等の手に渡るとな。アイツ等は幽霊みたいな存在だ。何を言っても誰も信用してくれない。いても居なくても同じ存在だ。アイツ等の言うことに証拠なんて何も無いんだ。まあ、物的証拠として残るのは賄賂を取って国に家でも建てれば別だが。とりあえず現金は稼ぎましたという証拠は間違いなくその豪邸が証拠として残るからな」 


 そう言ってかなめはタバコをくわえたままカウラの銀色のスポーツカーの屋根に寄りかかって話はじめた。同盟軍組織の一部、こう言う二線級部隊の腐敗はどこにでもあると言うように、かなめは時折振り返って兵士達に笑顔を振りまいた。


「じゃあ何の意味が?挑発にしてはやりすぎですよ。机一つ破壊したんですから」 


 そうたずねた誠に手にした端末の画面をかなめは見せた。次々と画面がスクロールしていく。良く見つめればそれはある端末から次々に送信されているデータを示したものだった。


「あいつ等でも多少はコイツの存在が気になるんだ。さっそくあのリストと出所と思われるところに連絡を入れて事実関係を確認中ってところかな。後はあの連中が連絡をつけた糸をたどっていけばどこかに昨日見た連中の製造工場があるだろうって話だ……まあそううまくいくかどうかは昔話にある通りだがな」 


 そう言うとかなめはタバコを投げ捨てる。検問の兵士ににらみつけられるがかなめは平然とドアを開けてそのままランと組んで車に体を押し込んだ。



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