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砕魔学園にかける青春  作者: 木々 杯
砕魔学園にかける青春
3/127

3 空

 ケヤキの木の前にはいくつかベンチがある。その一つに腰掛け、ステータスや装備、アイテムの確認をする。


 十周もしているため、レベルは他のキャラクターに比べて段違いに高い。主人公は強さを引き継げるようになっている。


 さらに、キャラクターごとのイベントもしっかりこなしたので、どのキャラもかなりの強さになっている。


「お待たせしました、せんぱい」

「全然待ってないよ」


 普段通りの制服だが、いつもの二割り増しで可愛い空がやってきた。


「今の会話、その、恋人同士みたいですね」


 空はそう言って照れている。


「そうかも。……空、今日はいつにも増してかわいいな」


 ちょっとイケメン風にそう言うと、空は白い肌を真っ赤にしてしまった。


「もう。もう、もう、せんぱい。いつも私をからかうんですから」

「牛? いや、かわいいっていうのは本心だけどね」


 ゲームの中ならあっさり言える。現実では無理だけど。

 空は俺の隣に腰掛けた。


「先輩、緊張をほぐそうとしてくれてありがとうございます」

「うん」


 可愛い反応を見たかったというのもあるけど、今は黙っておく。


「あの、せんぱいが私のことをどう思っているか、邪心の集合体を倒した後に聞かせてもらえますか?」

「うん、もちろん」

「その時に私の気持ちも伝えます」


 なんとなくフラグのような発言だが、そのフラグはバキバキにへし折らさせてもらおう。ちなみに邪心の集合体とは、これから挑むラスボスの名前である。

 顔を赤くして照れていた空が、ふっと真剣な表情になった。


「せんぱいは不安じゃないですか?」

「正直不安はある。でも、仲間がいるからきっと乗り切れるんじゃないかなって思う」


 空がジッとこっちを見つめている。


「それに、空がいるから。頼りにしてる」

「せんぱい」

「邪心の集合体がどれだけ強くとも、みんなで乗り越えよう」

「はい」


「じゃあ、行こうか空」

「はい」


 勢いよくベンチから立ち上がる。空も立ち上がり、ちょこんと俺の制服の袖を掴んできた。

 なにそれめちゃくちゃかわいいいい!


「……じゃあ、行こうか」

「えへへ、せんぱいを照れさせることができました」


 照れてるのばれてた。

 邪心の集合体を倒した後のエンディングが楽しみで仕方がない。


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