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砕魔学園にかける青春  作者: 木々 杯
砕魔学園にかける青春2
10/127

10 とあるゲーム情報サイトにて

 VRゲーム情報サイト、『VRゲームで遊びたい!』8月号、特集記事『まだ間に合う! 砕魔学園にかける青春を遊び尽くす!』より抜粋。


先輩ノキスケ(以下、ノ)「おーい、今なんのゲームやってるんだ?」

後輩クキカケ子(以下、ク)「……」

ノ「おいおいおいい! 無視かよ!?」

ク「無視って! 先輩! 今VRゲームやってんすよ!? 見えないんすか?」

ノ「いや、見えてるけど」

ク「……(いつか◯スっす)」

ノ「まぁ、そんなことはどうでもいい。それよりもサイガク1、プレイしてる?」

ク「いやー、してねっす」

ノ「お前……ブームには乗ってけとあれほど言っただろうが。その調子だと、2が出ちまうぞ?」

ク「なーんか、とっつきにくそうじゃないですか、あのゲーム。仕方ねっす。ウチは悪くねっす。それに、最初は全然売れなかったって聞いたっすよ」

ノ「売れなかったのは、単純に運とタイミングと販売手段が悪かっただけで、内容は悪くなかった。無名のメーカーで、ダウンロード版がなくて、タイトルがなんのゲームか分かりにくいのがよくなかった。出回った本数も多くなかったしな」

ク「マーケティングを勉強してから出直せって感じなんすかねぇ。世知辛えっす」

ノ「な? 興味湧いたろ?」

ク「えぇ? どこで? そもそも、なんか専門用語とか多そうですし? 学園が舞台みたいですし? タイトルに青春って。雰囲気ゲー(笑)ですか? 今時はやんねぇっすよ〜」

ノ「(そういえば、こいつは殺し殺され系FPSばっかりプレイしてるんだった)」

ク「てことで、ウチはゲームに戻りますんで。邪魔しないでください」

ノ「待て待て待て待て! お願いします! 少しだけ話を聞いてください!」

ク「えー? ……まぁ、いいっすけど。今度焼肉でも奢ってもらうっすよ」

ノ「え? なになに? お前、俺とデートしたいの? なんだよ、それなら早く言ってくれればよかったのに。すまんな。お前の気持ちに気がつけなくて」

ク「うざっ! もういいから、早く話をしてくださいよ」

ノ「(よし、これで奢りは回避だな。我ながら策士よ)ところで、さっき専門用語が多そうだと言ってたけど、例えばどんな言葉だ?」

ク「うーん。まずタイトルの、砕魔学園。これっすよ。砕魔。なんすか、砕魔って」

ノ「ああ、それかぁ。魔を砕くから砕魔。簡単だろ?」

ク「ええー、どこがっすか。そもそも魔ってなんすか?」

ノ「まぁ、ゲーム的に言えば敵だな。世界観的に言えば、邪悪な思いや心から生まれる、一般人の目には見えない霊的な存在だ。そいつが生まれて時間が経つと、力を持って、人に仇なすようになる。そんな、ヒトの敵である魔を砕くのが、砕魔師であり、砕魔学園はその砕魔師を養成する学校ってワケだ」

ク「へぇー。それは退魔師とかとは何が違うんすか?」

ノ「おお、いいところに気がついたな。はっきり言えば、おおむね同じようなもんだな」

ク「はあ? じゃあ、退魔学園でいいじゃないですかー!」

ノ「まあな。でもまぁ、オリジナルの用語を作りたいって気持ちは分かるだろ?」

ク「うーん、それはまぁ」

ノ「てことで、これで専門用語問題はクリアだな! よし、やれ。今すぐやれ」

ク「横暴っす! そもそも、学園が舞台とか、もう受け付けないんすよ! ウチが今何歳か知ってるんすか!?」

ノ「え? それはさ――」

ク「黙れ」

ノ「こわぁ」

ク「……」

ノ「老若男女! 誰もが楽しめる青春体感ゲーム、それがサイガクだ!」

ク「(話そらしたっすね)」

ク「青春体感ゲーム? 砕魔師RPGじゃないんすか?」

ノ「よりわかりやすく言うと、砕魔師の少年の青春を体感するRPGだな」

ク「なんか大作の皮を被ったクソゲーみたいなキャッチフレーズっすね」

ノ「ヤメロ」

ク「へーい。あ、一応言っておくっすけど、別に何かを想定して言ったとかじゃないっすよ。マジっすマジっす」

ノ「逆に疑わしくなるからぁ。やめて」

ク「そんなことより、砕魔師の青春体感? 虫酸が走るんすけど」

ノ「(こじらせておる)ハハッ」

ク「なんすかその笑い」

ノ「でもさぁ、俺たちの青春って灰色だったじゃん?」

ク「決めつけやがりますね」

ノ「青春とか言われて全身がむず痒くなる気持ちもわかるよ。だって、世に溢れる青春って枕詞がつくものはたいてい甘酸っぱいじゃん。俺たちの青春はそうじゃなかったよね。だから、俺の中の高校生の俺が拒否反応を示すんだよね。でもさぁ、思うんだよね。そういうのを避けてていいのかなって? いいや。良くないね。俺たちは取り戻すべきなんだよ、青春を。いつ? いま。どうやって? サイガクをプレイして」

ク「めっちゃ早口で言ったっすね。しかも、別にゲームの魅力を語ってないっていう」

ノ「サイガクのすごいところは、プレイ次第では俺たちみたいな青春も送れるってことだよ」

ク「それってすごいところなんすかねぇ」

ノ「自分のプレイ次第で、主人公の三年間は大きく変わる! それって、めちゃくちゃワクワクしない?」

ク「うーん、まぁ少しは興味出たかもっす」

ノ「しかも、VRで! これはもうやるしかないっしょ〜」

ク「さっきから、具体的な説明があんまりないんっすが」

ノ「まぁさ、実際プレイしてみないとわからないワケよ。まるで俺みたいな存在だよね」

ク「? 意味がわからないっすけど」

ノ「ほら、俺って近寄り難い雰囲気だしてるじゃない。でも、話してみると気さくなナイスガイなわけでしょ」

ク「……」

ノ「そういうことよ」

ク「本当はプレイさせたくないんすか?」

ノ「どう言う意味だよ!」

ク「そのままの意味っすけど……まぁ、先輩しつこいし、ちょっとはやってみましょうかね」

ノ「おお! ついにその気になってくれたか!」

ク「2から」

ノ「おおーい!」


次ページからは、『砕魔学園にかける青春 2』の事前情報をまとめながら、その魅力に迫る!!


――

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